第四百六十訓 トラウマを持った人には優しくしてあげよう【柳生篇33】 ページ46
それから数日後の夜。
時雪「はい、どちら様でしょう?」
トッキーが扉を開けると、そこにはキャバ嬢の仕事着を纏った姐さんと、包帯を顔に巻いているトシ兄ィがいた。
時雪「あの、何か?」
お妙「夜にごめんなさい。Aちゃんはいますか?」
A「何?どうしたの姐さん」
欠伸を噛み殺しながら玄関へ向かうと、姐さんは笑顔を浮かべる。
お妙「お願い、ちょっと一緒に来てもらえるかしら?」
ワケがわからず首を傾げる前で、姐さんはいつもの優しい微笑みを見せた。
********
姐さんに連れられたそこは、何かの会場だった。
受付を無視し、そのまま会場へ向かう姐さんの背中に、取り敢えず黙ってついていく。
何故姐さんが薙刀を持っているのか甚だ疑問だったが、追及しないことにした。
会場の扉を開け放ち、薙刀を遠くへ投げ飛ばす。
薙刀は近藤さんの上着ごと壁に突き刺さった。
ん?近藤さん?
嫌な予感が、あたしの頭の中で駆け巡る。
忘れていた。今日は、近藤さんの結婚式だった。
もちろんあたしも誘われていたのだが、近藤さんの結婚相手はまごう事なきゴリラであるため、式の参加を断ったのだ。
ーーまさか、姐さんがあたしを連れてきた理由って…。
回れ右して、そろーっと立ち去ろうとする。首根っこを、姐さんに掴まれた。
お妙「アラ、どうしたのAちゃん」
A「すいません、お腹痛いんで帰らせてください」
お妙「トイレならさっき済ませたでしょ?」
姐さんの笑顔が怖い。
次の瞬間、ぐいっと引っ張られ、姐さんの前に出される。
そこには、興奮したゴリラ達がこちらへ向かっていた。
あたしの血の気は、サッと引いていく。
A「いぃぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
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ーーそれから先のことは、覚えてない。
ただ、言えることがあるとすれば、あれから数日間、あたしはショックでしばらく床に伏せていたということだけである。
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ー柳生篇 完ー
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ミサ(プロフ) - 椿さん» いえいえ、こちらこそどうぞよろしくお願いします(^∇^) (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミサさん» よかったです!毎朝日替わり銀狼に励まされ学校に行っているので「感想を書きたい、でも何度も書いたら迷惑かも...」と、感想を書くことを敬遠していたので嬉しいです!暇が無くても読みふけります笑 (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!とても嬉しいです!感想を頂けることはやはり自分にとって励みになりますし、こんな私の作品を好きだと言って頂けることを直に感じられるので、迷惑だなんて思いません!こんな小説ですが、これからも暇潰し程度に楽しんで頂けたらと思います! (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - いつも読ませてもらってます!やはりミサさんの小説は面白い...笑 一つ質問なのですが、私感想これからも書いていきたいと思っているのですが迷惑ではないでしょうか...? (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2017年8月22日 19時