第四百五十六訓 護り護られ【柳生篇29】 ページ42
Noside
彼らの輪の外で、銀時が敏木斎と、新八が九兵衛と剣を交えていた。
しかし、新八との実力差がありすぎて、あっさり九兵衛に弾かれてしまう。
九兵衛と敏木斎が、背中合わせになった銀時と新八の周りを囲むように走り始めた。
そこから、凄まじい連撃を叩き込まれる。あまりの速さに、新八は目を瞑ってしまった。
背後の銀時が、彼を叱咤する。
銀時「新八ィ、目ェ開けろ!びびってんじゃねェ!!見えるもんも見えなくなるぜ!!最後まで目ェひんむいて戦え!!」
なんとか目を開こうとする新八だが、不意に木刀が弾き飛ばされてしまった。
それを拾おうと動いた隙を狙って、九兵衛と敏木斎が彼の前に躍り出る。
そこを、銀時が前に出て、身を挺して新八を護った。
得物を失くした新八を背で庇いながら、銀時は二人の斬撃を捌いていく。
しかし、柳生家の中でも強いと謳われる二人に、完全に押されていた。
銀時に護られる彼を見て、九兵衛はほくそ笑む。
九兵衛「お笑いじゃないか、新八君。姉上を取り返そうと、仲間を引き連れ乗り込んできた君が、一番の足手まといとは。
君はなんとなくわかっていたんじゃないのか。どんな無茶をしようが、結局最後は誰かが助けに来てくれることを。
誰かが何とかしてくれる、そう思っていたからこそ、勝ち目のない僕に戦いを挑みに来たんじゃないのか。
君は昔からそうだった。
誰かの陰に隠れ誰かに護られ、君を護る者の気持ちなど知りもしない。その哀しみも背負うものも見ようとせず、ただ縋るだけ。
妙ちゃんの顔に何故あんな偽物の笑顔が貼りついてしまったか、君にわかるか。それは新八君、君が弱かったからだ」
攻撃の手が緩められることはなく、九兵衛はさらに続ける。
九兵衛「君に妙ちゃんの哀しみ、苦しみを受け止める強さが無かったから。彼女は自分の弱さを隠そうと、あんな仮面をつけてしまったんだ。
僕が妙ちゃんの隣にいれば、こんな事にはならなかった。僕は妙ちゃんの本当の笑顔を取り戻す。君に妙ちゃんは護れない。護る資格もない」
九兵衛は強く地面を踏みしめ、跳躍した。
九兵衛「彼女を護れるのは、僕だけだァァァァ!!」
第四百五十七訓 メガネキャラはメガネがないとアイデンティティを失う【柳生篇30】→←第四百五十五訓 あたしの剣【柳生篇28】
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ミサ(プロフ) - 椿さん» いえいえ、こちらこそどうぞよろしくお願いします(^∇^) (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミサさん» よかったです!毎朝日替わり銀狼に励まされ学校に行っているので「感想を書きたい、でも何度も書いたら迷惑かも...」と、感想を書くことを敬遠していたので嬉しいです!暇が無くても読みふけります笑 (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!とても嬉しいです!感想を頂けることはやはり自分にとって励みになりますし、こんな私の作品を好きだと言って頂けることを直に感じられるので、迷惑だなんて思いません!こんな小説ですが、これからも暇潰し程度に楽しんで頂けたらと思います! (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - いつも読ませてもらってます!やはりミサさんの小説は面白い...笑 一つ質問なのですが、私感想これからも書いていきたいと思っているのですが迷惑ではないでしょうか...? (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2017年8月22日 19時