第四百五十五訓 あたしの剣【柳生篇28】 ページ41
庭が見える部屋にやってくると、そこで戦いを見守る姐さんの背中を見た。
A「姐さん!!」
お妙「!!Aちゃん…」
背後から呼びかけられた姐さんは、驚いてあたしを振り返る。あたしは黙って近寄り、隣に立った。
庭では、塀の上で何故か眼鏡をかけていない新八と銀が背中合わせになり、九兵衛さんと敏木斎さんがそれを挟んでいた。
そこに、別の部屋から、多くの門下を引き連れておっさんが現れる。
げっ、もう復活してるし。
手加減したのが仇となったか。もうちょい強めに殴っときゃよかったな。
輿矩「貴様らァァァ!!バカ騒ぎを止めろォ!!これ以上柳生家の看板に泥を塗ることは許さん!!ひっ捕えろォォ!!」
おっさんの指令と共に、一斉に銀と新八に駆け寄る門下達。
それを、次々に打ち倒していく男が一人。近藤さんだ。
近藤「邪魔をすんじゃねェェェ!!男と男…いや、男と女…いや、侍の決闘を邪魔することはこの
さらに、二人。トシ兄ィに肩車されながら、総兄ィが門下を薙ぎ払っていく。
沖田「旦那ァ!片足じゃもって五分でさァ、早いとこ片付けてくだせェ!!」
土方「何で乗ってんだテメーは!!」
そしてさらに、神楽。
神楽「ふァちょォォ!!」
倒立したままカポエラのように体を回転させ、次々と門下達を蹴散らす。
神楽「アネゴォォ!!男共が頼りないから私達が来たアルヨォ!!」
それをずっと見ていた姐さんは、目に涙を溜めていた。
泣く姐さんを一瞥してから、視線を戦場と化した庭に向ける。
A「…みんな、姐さんのために戦ってるんだよ。あなたが泣いたら、同じように泣く。あなたが笑ったら、同じように笑う。それが、友達ってモンじゃないかな」
木刀を引き抜き、縁側からトンと降り立つ。
A「あなたがどうしたいかは、あなた自身が決めればいい。でも、苦しんでまで、押し殺してまで、自分の気持ちに嘘は吐かないで。精一杯悩んで選んだ道でも、それが間違ってると思ったら、あたしらが止めるよ。何度だって、どこへだって、あなたを助けに行くよ」
わあっと一斉に襲いかかってくる門下達を見据え、一人一人を殴っていく。
木刀を振る手を止めず、姐さんを振り返らずに言った。
A「あたしの剣は、そのためにある」
地面を踏みしめ一気に加速し、門下を次々と斬るように倒していった。
第四百五十六訓 護り護られ【柳生篇29】→←第四百五十四訓 惚れた女を泣かせる奴は最低【柳生篇27】
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ミサ(プロフ) - 椿さん» いえいえ、こちらこそどうぞよろしくお願いします(^∇^) (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミサさん» よかったです!毎朝日替わり銀狼に励まされ学校に行っているので「感想を書きたい、でも何度も書いたら迷惑かも...」と、感想を書くことを敬遠していたので嬉しいです!暇が無くても読みふけります笑 (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!とても嬉しいです!感想を頂けることはやはり自分にとって励みになりますし、こんな私の作品を好きだと言って頂けることを直に感じられるので、迷惑だなんて思いません!こんな小説ですが、これからも暇潰し程度に楽しんで頂けたらと思います! (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - いつも読ませてもらってます!やはりミサさんの小説は面白い...笑 一つ質問なのですが、私感想これからも書いていきたいと思っているのですが迷惑ではないでしょうか...? (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2017年8月22日 19時