第四百五十訓 冷静な判断力は何より大事【柳生篇23】 ページ36
土方「そうか、総悟がやられたか。クク…いい気味だ」
そう言って咥えたタバコーーではなく、おもちゃ花火に火をつけるトシ兄ィ。
先程の戦いでダメージを負い、頭から血をダラダラ流していた。
あぁ、出血してるせいでおかしくなってんのか。頭が。
気付いていないらしい、新八がツッコミを入れる。
新八「土方さん…それタバコじゃないです。どっから拾ってきたんですか?」
A「ダメだ。出血が酷くてロクに物事を判断出来ないらしい」
あたしは新八の肩に手を置いて、ふるふると「手遅れだ」と首を横に振った。
現在、あたし達は厠の茂みに隠れていた。
近藤さんは厠に行き、戦えるのはあたしのみ。
状況としては、悪い方に傾いてるとあたしは思う。
三下の北大路でさえ、トシ兄ィにあれほどの苦戦を強いさせたのだ。その上の九兵衛さんやその大将を相手取るとなると、先が思いやられる。
さらにこの広い屋敷内では連絡の手段もなく、銀や神楽がどうなっているのか全くわからない状況だ。
こちらが優勢なのか劣勢なのかも判断がつかない。
はぁ…全く、どうなることやら。
あたしは頭を抱える。
その時、茂みの向こうから気配を感じた。
しかも、二人。九兵衛さんと東城だ。
あたしは気配だけで、それを察した。
未だ花火を咥えるトシ兄ィも気配に気付いたらしく、茂みの中から様子を伺っていた。
二人は、こちらへ真っ直ぐ向かってくる。
土方「どういうこった?何で俺達の居場所が…」
新八「オメーがその口に咥えてるものを見ろ!」
そりゃあ茂みの中でバチバチと火花が飛んでれば、いやでも目立つ。バカだろこいつ。
しかし、今の状況では確実に負ける。
こっからトンズラしようと、新八が厠の扉を叩き、近藤さんを呼ぶ。
新八「近藤さん何やってんスか!?早く!!出てきて下さい、逃げますよ!」
しかし、全く返事がない。
新八「アレ?先に逃げちゃったかな」
A「新八、行くよ!」
トシ兄ィが先行し、それについていく形であたしと新八もその場から脱した。
しかし、この時あたし達は知らなかった。
近藤さんだけでなく銀までもが、極限のピンチに見舞われていたことをーー。
第四百五十一訓 喩えはわかりやすく言うべし【柳生篇24】→←第四百四十九訓 何事も努力に勝るもの無し【柳生篇22】
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ミサ(プロフ) - 椿さん» いえいえ、こちらこそどうぞよろしくお願いします(^∇^) (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミサさん» よかったです!毎朝日替わり銀狼に励まされ学校に行っているので「感想を書きたい、でも何度も書いたら迷惑かも...」と、感想を書くことを敬遠していたので嬉しいです!暇が無くても読みふけります笑 (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!とても嬉しいです!感想を頂けることはやはり自分にとって励みになりますし、こんな私の作品を好きだと言って頂けることを直に感じられるので、迷惑だなんて思いません!こんな小説ですが、これからも暇潰し程度に楽しんで頂けたらと思います! (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - いつも読ませてもらってます!やはりミサさんの小説は面白い...笑 一つ質問なのですが、私感想これからも書いていきたいと思っているのですが迷惑ではないでしょうか...? (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2017年8月22日 19時