第四百四十八訓 才能か努力か【柳生篇21】 ページ34
北大路は稽古で多くの型を身につけるだけでなく、その対応策も身につけていた。
そのため、いくらトシ兄ィが攻撃をしかけても、その全てを受けることが出来るのだ。
そこから次第に北大路の反撃が始まり、それと比例するようにトシ兄ィが劣勢になっていく。
北大路「これが貴様と俺の差。才能に溺れ、努力を怠ったが貴様の敗因。これがお前が、道場剣術と揶揄した者の力よ!!」
A「トシ兄ィ!」
北大路の一撃が、トシ兄ィの右頬を捉えた。
戦いを見守っていた新八も、汗を滲ませる。
新八「ヤバイ!!あの人ホントにとんでもなく強い…近藤さん、助けに入りましょう!!」
新八も加勢しようとするが、近藤さんに止められる。
近藤「スマン、手は出さんでやってくれ。お妙さんの身がかかっている戦いで言えた義理じゃないが、アレは人一倍負けず嫌いだ。手ェなんか出したら殺される」
新八「負けず嫌いって、このままじゃ負けますよ!」
A「大丈夫だって。ね?近藤さん」
そう言って近藤さんを見上げ、ウインクしてみせると、近藤さんは微笑を浮かべて頷いた。
一番近くで見守るあたしも、この戦いには手を出そうとは思わなかった。
もちろん、手を出したところでトシ兄ィの怒りを買うだけだというのもある。
でも一番の理由はあいつを信じていたからだ。
あたしは今まで一度も彼と剣を交えたことはないが、少なくともあいつの強さは認めていた。
あいつは、自分には無いものを持っている男だった。
もちろん、あたしも彼と同じものも持っていた。
同じものは、天賦の剣の才能。
違うものは、努力だ。
"銀狼"は、戦いの中で生きる一族。
常に生きるか死ぬかの世界の中で、生きるためには必然的に強くなければならなかった。
ゆえに、"銀狼"は艦隊にも匹敵する力が必要だったのだ。
しかし、それは昔の話。
比較的平和になったこの世界では、そんな力は不要。
"銀狼"がその強さを手に入れるには、血の覚醒が必要だった。
それは、いつ起こるかわからない。戦いの中で、偶発的に。
初代"銀狼"は常に覚醒状態だったというが、戦いどころか戦争すら経験したことのない
第四百四十九訓 何事も努力に勝るもの無し【柳生篇22】→←第四百四十七訓 メガネを外すと大概相手のイメージが完全に崩れる【柳生篇20】
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ミサ(プロフ) - 椿さん» いえいえ、こちらこそどうぞよろしくお願いします(^∇^) (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミサさん» よかったです!毎朝日替わり銀狼に励まされ学校に行っているので「感想を書きたい、でも何度も書いたら迷惑かも...」と、感想を書くことを敬遠していたので嬉しいです!暇が無くても読みふけります笑 (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!とても嬉しいです!感想を頂けることはやはり自分にとって励みになりますし、こんな私の作品を好きだと言って頂けることを直に感じられるので、迷惑だなんて思いません!こんな小説ですが、これからも暇潰し程度に楽しんで頂けたらと思います! (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - いつも読ませてもらってます!やはりミサさんの小説は面白い...笑 一つ質問なのですが、私感想これからも書いていきたいと思っているのですが迷惑ではないでしょうか...? (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2017年8月22日 19時