第四百四十一訓 意外な人が並ならぬ実力を持ってたりする【柳生篇14】 ページ27
南戸「しかし、俺の相手がこんなカワイイお嬢ちゃんとは」
A「……なめてんの?」
南戸「オイオイ、そんな怒るなよ。大丈夫、ちゃんと手加減はしてや…」
ーードカァッ!
南戸が言い終わる前に、あたしが一足飛びで跳んで、距離を詰める。
木刀を握り締め、力強く南戸を吹き飛ばした。
ドサッと地面に倒れた南戸を見下ろし、歩み寄る。
A「うるせえ。ツラツラ御託並べてるヒマあんなら、その手加減とやらで
木刀を肩に置き、冷たい視線で見下す。
地面に手をつき起き上がった南戸は、木刀を持ち直して立ち上がった。
一歩踏み込み、再び南戸との距離を縮める。
突きを繰り出した木刀は南戸のそれに受け止められ、そのまま鍔迫り合いに持ち込まれる。
木刀をいなしたあたしは、右足を上げて南戸の腹に打ち込んだ。
後退した南戸の隙を逃さず、今度は下方から木刀を振り上げ、南戸をカチ上げる。見事顎にクリーンヒットした。
宙に打ち上げられた南戸が、地面に叩きつけられる。しっかりと受け身をとったらしく、頭は強打しなかった。
しかし、違和感を感じる。
彼は頭を守るというよりかは、首の後ろを守ろうとしているように見えたのだ。
もしかして…。
あたしは木刀を左手に持ち、居合い斬りの構えをとる。
頭を押さえて再び体を起こした南戸の首の後ろに狙いを定め、一気に加速した。
南戸は視線だけを、背後に立つあたしに向ける。
南戸「…オイ。何やってんだお嬢ちゃん?まさか、今ので俺を倒したつもりか?残念だが、お嬢ちゃんの一撃はどこにも当たってねェ」
あたしは南戸の声を無視して、木刀を腰に挿した。
振り返った南戸は、その小さな背中に皿が付いているのを見ている。
南戸「そこにあったか」
ペロリと舌舐めずりをした南戸は、木刀を振るい、あたしに襲いかかった。
しかし。
パカン
やけに乾いた音が、響く。
割れたのは、あたしの皿でなく、首の後ろに隠していた南戸の皿だった。
うなじにあった感覚が無くなり、南戸は呆然と目の前に立つあたしの背を見つめた。
南戸「まさか…あの一瞬で!?」
南戸を振り返り、ニィッと口角を上げてみせる。
A「悪いね、あたしはこれでも最恐と畏れられた一族の末裔でね。剣と喧嘩じゃ、誰にも負けねーよ」
驚きを隠せない南戸を通り過ぎて、あたしは神楽と総兄ィの助太刀をすべく、屋敷の中に入っていった。
第四百四十二訓 世の中には知らない方がいいこともある【柳生篇15】→←第四百四十訓 どこにだってかませ犬という役割はある【柳生篇13】
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ミサ(プロフ) - 椿さん» いえいえ、こちらこそどうぞよろしくお願いします(^∇^) (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミサさん» よかったです!毎朝日替わり銀狼に励まされ学校に行っているので「感想を書きたい、でも何度も書いたら迷惑かも...」と、感想を書くことを敬遠していたので嬉しいです!暇が無くても読みふけります笑 (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!とても嬉しいです!感想を頂けることはやはり自分にとって励みになりますし、こんな私の作品を好きだと言って頂けることを直に感じられるので、迷惑だなんて思いません!こんな小説ですが、これからも暇潰し程度に楽しんで頂けたらと思います! (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - いつも読ませてもらってます!やはりミサさんの小説は面白い...笑 一つ質問なのですが、私感想これからも書いていきたいと思っているのですが迷惑ではないでしょうか...? (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2017年8月22日 19時