第四百十七訓 トラウマはいつまでも残る ページ3
それは、いつかのカブト狩りの時。
帰りが遅くなったので真選組と別れようとした時。
ちょんちょんと肩を
A「んぐぅ!?」
沖田「おー。なかなかいい食いっぷりじゃねーかィ、嬢ちゃん」
視線を少し上にやると、総兄ィがニタニタと愉しげに笑っていた。
ーーやっぱテメェかコノヤロぉぉぉ!!
キッと睨みつけて叫ぼうとするが、口に突っ込まれたバーベキューが邪魔して、上手く喋れない。
A「んぅ、んふぅっ」
沖田「ホラホラどーした?食わねーのかィ」
バーベキューの串をぐりぐりと押し込まれ、息が出来ない。苦しくて涙を溜めるあたしを見下ろして、総兄ィはさらに口角を上げた。
この野郎…!
沖田「クク、可愛い顔でさァ。そそられるぜィ」
A「ん…ん、く…ぅぅ…っ」
土方「何してんだてめーはァァァ!!」
トシ兄ィの怒号と共に、ズバッとバーベキューが串ごと斬られる。
押さえつけてくる力が無くなり、蹲ってすぐに咳き込んだ。
A「げほげほっ!ごほっ」
咳をするあたしの背を、トシ兄ィが摩る。
総兄ィは不満げに口を尖らせていた。
沖田「何すんですかィ土方さん。せっかくいいとこだったのに…」
土方「いいとこもクソもあるかボケェ!ガキに何してんだテメェは!」
沖田「何ってただの予行演習でさァ。将来突然バーベキューを口に突っ込まれた時、どう対処するかの練習ですよ」
土方「練習ってお前、いつそんなシチュエーションが舞い降りてくんだよ!!自分が楽しみたかっただけじゃねーか!」
ようやく落ち着いたあたしは、金属バットを抜いて総兄ィに殴りかかった。
A「お前ェェ何すんだコラァァァァ!!」
沖田「おっと」
総兄ィはひょいと辺りの怒りの一撃をかわすと、総兄ィの背後にあった大木に当てられた。
バットが一気に幹にめり込み、ミシミシと繊維が潰されていく。そして、最終的にその一撃は、木を真っ二つに折った。
倒れた木は、何故か近藤さんの脳天に吸い込まれるように落ちていった。
とんだとばっちりを受けた近藤さんを無視して、あたしは金属バットを振るい、総兄ィを追いかけ回し始めたーー。
第四百十八訓 因縁のある人物とは何度も対立するもの→←第四百十六訓 異性との接し方は慣れてる人と慣れてない人との差が激しい
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ミサ(プロフ) - 椿さん» いえいえ、こちらこそどうぞよろしくお願いします(^∇^) (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミサさん» よかったです!毎朝日替わり銀狼に励まされ学校に行っているので「感想を書きたい、でも何度も書いたら迷惑かも...」と、感想を書くことを敬遠していたので嬉しいです!暇が無くても読みふけります笑 (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!とても嬉しいです!感想を頂けることはやはり自分にとって励みになりますし、こんな私の作品を好きだと言って頂けることを直に感じられるので、迷惑だなんて思いません!こんな小説ですが、これからも暇潰し程度に楽しんで頂けたらと思います! (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - いつも読ませてもらってます!やはりミサさんの小説は面白い...笑 一つ質問なのですが、私感想これからも書いていきたいと思っているのですが迷惑ではないでしょうか...? (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2017年8月22日 19時