第四百二十八訓 誰にだって苦手なものは存在する【柳生篇1】 ページ14
A「お疲れさんっしたー」
今日もあたしは真選組のバイトのため、屯所に来ていた。
いつもの藤色の着流しに着替え、帰ろうと襖を開けると、そこには私服に着替えた真選組隊士達。
A「アレ?どうしたの?」
山崎「今からお妙さんの店に行くんだ」
A「は?姐さんの?」
ザキ兄ィから返ってきた意外な答えに、あたしは思いっきり顔を顰めた。
皆さんご存じだろうが、姐さんの働く店は、仕事に疲れた親父達の聖地・キャバクラである。
局長である近藤さんが姐さんに惚れてからそこに通いつめていることは知っていたが、何故真選組総出でキャバクラに行くのか。
A「何で警察の人が揃いも揃ってキャバクラに行くの?」
山崎「いや、実はね…」
訝しげなあたしの視線に苦笑を浮かべながら、ザキ兄ィは経緯を説明し始めた。
********
話を要約するとこうだ。
実は近藤さんに、縁談が来ているというのだ。
なんでも幕府から来た見合い話なのだが、相手は猩猩星の第三王女バブルス。つまりは天人なのである。
しかもその姿が…。
A「ゴォォォォォォリラァァァァァァァァァァ!!」
山崎「ぶがふっ!?」
見合い写真を見せられたあたしは、狂乱して見合い写真ごとザキ兄ィをぶっ飛ばしてしまった。
ザキ兄ィはそのまま襖やら近くにいた隊士らを巻き込んで、ドンガラガッシャーンと大きな音を立てて吹き飛ぶ。
我に返ったあたしが、青ざめながらザキ兄ィを救出した。
A「ご、ごめんザキ兄ィ!大丈夫?」
山崎「いてて…な、なんとか」
優しいザキ兄ィで良かった。これがもしトシ兄ィや総兄ィだったら、もう恐ろしい。
土 トシ兄ィなら拳骨一発で済むけど、総兄ィの場合は手錠と首輪をはめられ、その後はとんでもない辱めを受けていただろう。
そのことに安堵しながら、ザキ兄ィに再度頭を下げる。
A「本当にごめんなさい。あたし、昔からゴリラ苦手で…」
山崎「そうだったの?」
A「昔のトラウマでね。写真でもやっぱ怖いんだ」
山崎「何?何がどうなったらゴリラがトラウマになるの?」
A「思い出したくないから話したくない」
まぁとにかく、真選組の面々は今から、近藤さんとゴリラの結婚を阻止すべく姐さんの働く店に向かうらしい。
上手くいかないと思うけどなぁ。
あたしは欠伸を一つしてから、スクーターに跨った。
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ミサ(プロフ) - 椿さん» いえいえ、こちらこそどうぞよろしくお願いします(^∇^) (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミサさん» よかったです!毎朝日替わり銀狼に励まされ学校に行っているので「感想を書きたい、でも何度も書いたら迷惑かも...」と、感想を書くことを敬遠していたので嬉しいです!暇が無くても読みふけります笑 (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!とても嬉しいです!感想を頂けることはやはり自分にとって励みになりますし、こんな私の作品を好きだと言って頂けることを直に感じられるので、迷惑だなんて思いません!こんな小説ですが、これからも暇潰し程度に楽しんで頂けたらと思います! (2019年2月20日 0時) (レス) id: a8a88a74d7 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - いつも読ませてもらってます!やはりミサさんの小説は面白い...笑 一つ質問なのですが、私感想これからも書いていきたいと思っているのですが迷惑ではないでしょうか...? (2019年2月20日 0時) (レス) id: 53b466e5ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2017年8月22日 19時