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第三百六十九訓 思い出はキラキラ輝かしいものばかりではない【紅桜篇31】 ページ47

ババアに支えられ上体を起こした高杉は、刀を甲板に突き刺して立ち上がる。


高杉「仲間ねェ。まだそう思ってくれていたとは。ありがた迷惑な話だ」


ふと、高杉の派手な着物の下から、古ぼけた一冊の本が見えた。
どうやらそれのおかげで、ヅラ兄ィに斬られた傷はさほど深くはなかったらしい。

それを見たヅラ兄ィも、懐から同じものを出した。


桂「まだそんなものを持っていたか。お互いバカらしい」

高杉「クク、お前もそいつのおかげで紅桜から護られたてわけかい。思い出は大切にするもんだねェ」

桂「いや、貴様の無能な部下のおかげさ。よほど興奮していたらしい。ロクに確認もせずに髪だけ刈り取って去っていったわ。たいした人斬りだ」

高杉「逃げ回るだけじゃなく死んだフリまで上手くなったらしい。で?わざわざ復讐に来たわけかィ。奴を差し向けたのは俺だと?」

桂「アレが貴様の差し金だろうが奴の独断だろうが関係ない。だがお前のやろうとしている事、黙って見過ごすワケにもいくまい」


その時。


ドォォン!!


A「!?」

桂「貴様の野望、悪いが海に消えてもらおう」


船の中から、大きな爆発が起こった。
爆風が船上に吹き荒れる。どんだけ威力高い爆弾仕掛けたんだよ、ヅラ兄ィ…。

あそこで何してたか知らないけれど、とにかく鬼兵隊の怒りの矛先は、全てヅラ兄ィ一人に向けられた。
やった、あたし逃げられる可能性が一気に跳ね上がったぞ!

ヅラ兄ィは拘束具を斬って神楽を解放し、刀を鬼兵隊に向ける。


桂「江戸の夜明けをこの眼で見るまでは、死ぬ訳にはいかん。貴様ら野蛮な輩に揺り起こされたのでは、江戸も目覚めが悪かろうて。朝日を見ずして眠るがいい」


カッコよく言い切ったヅラ兄ィの腰を、神楽が掴んでいた。そして、そのまま桂にジャーマンスープレックスを決める。


神楽「眠んのはてめェだァァ!!」

桂「ふごを!!」


まさかの仲間割れに、鬼兵隊の志士達は思わず後退る。

あたしはノーコメントだ。多分この二人は、ヅラ兄ィの何らかの事情に巻き込まれてこうなったんだと思うから。
そりゃジャーマンスープレックス決めたくもなるよね。


新八「てめ〜、人に散々心配かけといて、エリザベスの中に入ってただァ〜?ふざけんのも大概にしろォォ!!」


今度は新八が、磔の台を引き摺って、それで桂を殴り飛ばした。

…あ、こいつら怒らせたら怖い人達だった。忘れてた。

第三百七十訓 悪いことをしたらツケが回ってくる【紅桜篇32】→←第三百六十八訓 12歳は素直になれないお年頃【紅桜篇30】



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ミリア - すごく気に入った作品で面白かったですもし他の作品を作る予定なら銀魂の作品でアニメKかリボーンの世界にトリップか転生した銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけてがんばてください。応援してます。 (2017年8月9日 18時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミサ | 作成日時:2017年7月7日 0時

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