第三百五十二訓 ブチ切れると冷静さを失う【紅桜篇14】 ページ30
目の前に、驚いたような顔をした似蔵が映る。次には右手に重い感覚が伝わって、似蔵が吹っ飛んでいった。
…あれ?あたし今、一体何を…。
銀は血を流しながら、橋脚に凭れるようにズルズルと崩れ落ちる。それに気づいて、振り返った。
A「銀!!しっかりしてよ!銀!!」
銀時「バカ、ヤロー…来るな…A……」
似蔵を引き離したあたしは、すぐに倒れた銀に駆け寄る。
銀の肩を掴んだ瞬間、背後からの殺気を感じる。
振り向きざまに、あたしは金属バットを突き出した。紅桜と金属バットがぶつかり合い、ギリギリと火花を散らす。
これ以上銀には近寄らせない…!
グッと押しやろうとするも、全く動かない。
あたしが怪力なのは、薄々自覚してるつもり。
それは銀狼の血の力なんだけど…似蔵は生身の人間とは思えないほどの馬鹿力で迎え撃ってくる。
A「アンタマジでおかしいね。どっからそんな馬鹿力が出るってんだよ…!」
似蔵「それはお互い様じゃないかい?お嬢ちゃん。以前やり合った時のお嬢ちゃんも、一撃一撃がすごく重かったのを覚えているよ」
A「あっそう。だったら、もう一回力比べしてみる!?」
あたしは金属バットを刀の刃ではなく平地に移動させる。
このまま力を入れては、こちらの得物が斬れてしまいそうだった。
平地を押して似蔵を突き飛ばし、さらに間合いを詰める。
似蔵が紅桜を突き出してきたのを見て、瞬時に金属バットを左手に持ち替え受け流した。
そのまま距離を縮め、右の拳を似蔵の腹に叩き込もうとした。
その時。
ガシッ
似蔵「女の子があまり乱暴なマネをしちゃいけないよ、お嬢ちゃん」
A「なっ…!?」
突然、右手首にギュルギュルと何かが巻き付いてくる。力ずくで解こうとしても、全く動けない。
一体何だと確認する間も与えず、右手を無理やり捻り上げられた。
A「くっ…ぐうっ!!」
新八「Aちゃん!」
グッと歯を食い縛る。
このままではいけない。
そう判断したあたしは、金属バットを握り直し、振り上げた。
第三百五十三訓 死ぬ直前には走馬灯が見えるというがあまり見たくないものである【紅桜篇15】→←第三百五十一訓 ピンチをチャンスに変えられるかは自分次第【紅桜篇13】
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ミリア - すごく気に入った作品で面白かったですもし他の作品を作る予定なら銀魂の作品でアニメKかリボーンの世界にトリップか転生した銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけてがんばてください。応援してます。 (2017年8月9日 18時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2017年7月7日 0時