第三百四十九訓 恋心はいつの間にか抱くもの【紅桜篇11】 ページ27
ふと、伸びをしていた神楽ちゃんが、俺を見上げてくる。
神楽「そういえばAちゃん、よくトッキーのこと私に話すネ。Aちゃん、トッキーのこと好きアルか？」
時雪「えっ！？」
…Aが、俺のことを好き…？
……いやいやいやいや。ないないないない。そんなのありえない。
いや、そりゃそうだと嬉しいけど…でもないないないない！絶っっっ対にない！！
俺は頬に残る赤みを全力で無視しながら、神楽ちゃんから顔を逸らす。
時雪「さ…さあ？ど、どうかな…」
神楽「ガチガチになったアル。トッキー、ロボットにでもなったアルか？」
挙動不審になる俺に、神楽ちゃんはニヤニヤしながら意地悪い質問をしてきた。
神楽「じゃあトッキーは、Aちゃん好きアルか？」
っ！！
俺は今度こそ顔全てが真っ赤になって、ボシュゥと煙が上がりヘナヘナと地面に座り込んだ。
神楽「…マジでか」
時雪「…………」
俺は情けなく、頷く他なかった。
俺はAのことが好きだった。雇い主として、異性として。
腕っぷしは…そりゃあ俺の方が劣るものの、そんなことを気にせず俺と肩を並べて歩いてくれる。
そんな彼女がいつも向けてくれる、あの無邪気な笑顔が好きだった。
真っ赤な顔を手で隠す俺を眺めながら、神楽ちゃんは楽しげに笑う。
…この娘もなかなかイジワルな娘だ。
その時、定春がおすわりして止まった。
神楽「定春？」
定春が止まったのに気付いた俺達は、彼の元に歩み寄る。
神楽「定春、ここからヅラの匂いするアルか」
定春「ワン」
定春が止まった目前には、大きな船が止まっていた。
神楽「なんだろ、あの船？」
神楽ちゃんが疑問を口にした瞬間、後ろから気配を感じる。俺達はサッと樽の後ろに隠れた。
気配の正体は、三人の浪人だった。
「どうだ？見つかったか？」
「ダメだ。こりゃまた例の病気が出たな、岡田さん…どこぞの浪人にやられてから、しばらく大人しかったってのに」
「やっぱアブネーよあの人。こないだもあの桂を斬ったとか触れ回ってたが、あの人ならやりかねんよ」
「どーすんだお前ら。ちゃんと見張っとかねーから。アレの存在が明るみに出たら…」
俺達に気付かず去っていった浪人達の背中を見送り、何とか難を乗り越えた。
第三百五十訓 危険な場所へ赴くなら万全の準備を【紅桜篇12】→←第三百四十八訓 放任主義もあまり良くない【紅桜篇10】
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ミリア - すごく気に入った作品で面白かったですもし他の作品を作る予定なら銀魂の作品でアニメKかリボーンの世界にトリップか転生した銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけてがんばてください。応援してます。 (2017年8月9日 18時) (
レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミサ | 作成日時：2017年7月7日 0時
