第三百三十九訓 部屋に入る時はノックを【紅桜篇1】 ページ17
この日も、あたしはパンの耳を持って、銀の家に遊びに行った。今日はトッキーと一緒に、スクーターで道路の上を飛んでいた。
川の隣を走っていると、何やら人集りが出来ていた。川辺に死体が落ちており、それを奉行所の役人が見ていた。
A「何やってんだろ、アレ」
時雪「また死体が上がったのか…これで何人目だ?」
A「え?どういうこと?」
ちらりと横目でトッキーを見ると、トッキーは一度頷いてから答えた。
時雪「最近、巷で辻斬りが横行してるんだって。なんでも、狙われているのは浪人ばかりって話だけど…」
A「へェ〜。物騒な世の中だね、まったく…ん?」
下を一瞥した瞬間、笠を被った見覚えのあるペンギンオバケを見た。
あっ、あれって…エリー?
高度を下げ、エリーに近付く。
A「おーい、エリ〜」
並走すると、エリーはこちらを見た。
A「よォ。珍しいね、エリーが一人なんて。ヅラ兄ィは?今日は一緒じゃないの?」
そう。今回、エリーが単体でそこにいたのだ。いつもセットで、気持ち悪さを倍増させているはずのヅラ兄ィはどうしたのか。
そのことを訊くと、エリーは足を止めた。それに応じて、あたしもスクーターを着地させる。
ぱっちり開いたエリーの目から、ポロッと涙が零れた。
A「エリー!?」
時雪「ど、どうしたのエリザベス。まさか、桂さんに何か…?」
エリーは涙を拭うと、プラカードを掲げた。
エリザベス『万事屋銀ちゃんはどこにある?』
A「銀の店?これから私ら行くけど…」
エリザベス『一緒に連れてって』
あたしは後ろに座るトッキーとお互い視線を交換してから、エリーに頷いた。
エリーはトッキーの後ろに無理やり乗り、一緒に銀の元へ向かった。
********
A「おーっす。邪魔するよ」
特にノックもせずガラガラと扉を開けて中に入ったあたしに、銀が椅子を回してこちらを見る。
銀時「なんだぁ?てめー、部屋に入る前にはノックを忘れるなとあれほど口酸っぱく言っただろーが」
A「そんなの初めて聞いたわ。それよりほら、お客さん」
あたしが中に入ると、あたしの後ろからエリーがジッと銀を見つめた。
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ミリア - すごく気に入った作品で面白かったですもし他の作品を作る予定なら銀魂の作品でアニメKかリボーンの世界にトリップか転生した銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけてがんばてください。応援してます。 (2017年8月9日 18時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミサ | 作成日時:2017年7月7日 0時