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○ＰＴ５のコントローラーを握り締め、大画面に映し出される迫力のある映像を見ながらゲームを遊ぶ。ゲームの内容は最近発売されたオープンワールドのアクションＲＰＧ。ゲーマー達の間では所謂「死にゲー」と言われているものだ。
まだクリアしてないとは言え幾分かプレイしているAがナビ役をするが、こう言うのは基本プレイヤーの自由にさせるのが一番だ。ゲームの世界の美しさや怖さ、作り込まれた物語にのめり込んでもらいたいから敢えてアドバイスは少なめにする。
その甲斐あってか、またはゲームの素晴らしさのおかげなのか、ゾムはプレイを始めてからずっと楽しそうな表情を見せている。隠されたレアアイテムを見つけた時の感動した顔、攻撃パターンが読めず敵に圧倒されて死んでしまった時の悔しそうな顔、めげずに挑戦してようやく勝てた時の嬉しそうな顔。
一人忙しく百面相をする彼の心情に同感しながらAも楽しそうな笑みを浮かべる。
最初はどうしようかと迷ったけれど、誘って本当に良かった。こんな活き活きとする彼の姿を見られたのだから。Aは密かに喜びを噛み締めていた。
一頻りそのゲームを遊んだ後休憩を入れる。そこでようやく二人は用意した飲み物に手を付けるのも忘れて熱中していたことに気が付いた。飲んだ瞬間、その冷たさが喉に沁みた。
彼のグラスが空になったことに気付いたAがおかわりを持ってくると言って立ち上がった。空のグラスを手に取って再びキッチンへと向かった彼女にゾムが感謝を伝える。
彼女が戻ってくるまで、ソファーの背凭れに体を預けて待っている彼の視線が不意に横へと流れた。その先にはあの棚、まさにゲームの宝庫と呼んでもいいそれ。
「何か他にやりたいのある？」
それをじっと見つめているといつの間にか戻ってきた彼女にそう言われた。ああ、えっと。自分の心情が見透かされてしまったことにゾムは思わず目を泳がせる。そんな彼にクスリと笑ったAは「いいよ。好きなの選んで」と言って、中身を満たしたグラスをテーブルに置いた。
「ええの？」ゾムが遠慮がちにそう問い掛けると元の位置へと戻った彼女がにこやかな顔で答えを返す。それに彼はつい嬉しくなって笑みを浮かべると、早速棚の方へと向かっていった。
ええと、ええと。どれにしようか悩みながら耐えず楽しそうな彼の横顔をAはその表情を崩さずに見守っていた。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けてとても嬉しいです！これからもどうぞ温かい目で見てやって下さい。ありがとうございます！ (2022年4月17日 12時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うわぁ〜〜！！本当に面白いです！！まさかのライバル？！誰なんだ…続きも楽しみにしてます！ (2022年4月15日 0時) (レス) @page39 id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2022年3月14日 15時
