Promised Days (N.Oriyama) (ページ9)

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どうやら今から練習が始まるみたいだった。大会に向けて流れ自体はもうすでに完成していると言われたので、今度は本当に見学することになった。

音楽が流れ出す。この感覚は本当に久しぶりだった。

皇輝先輩が教えてくれたけど、大会用の5分間のプログラムの中で、たくさんのジャンルに挑戦してるって。

最初に、黄色の衣装に身を包んだ一年生ズ＋悠仁＆結星くんが現れた。例えるなら、爆発するようなヒップホップ。まだまだ体の小さいメンバーもいるけれど、まったく大差ないくらいにはしゃかりきだった。

次に出てきたのは2、3年混合のグループだった。青い衣装を着た彼らはすごく綺麗なロックを踊った。見とれていたら、竜生がばちんとウインクをしてきた。調子に乗るな。

でもそういうのがうれしかったから思わず笑ってしまった。光成先輩が竜生を軽くこづいたのが見えた。それも楽しい。

彼らは本当にダンスを楽しんでいる感じがした。うらやましい気持ちは捨てたはずだったのに、また湧き起こる感じがする。

そして、最後に出てきたのは、キラキラした赤の衣装に身を包んだ5人組だった。

その瞬間、わたしは右端の人に目を奪われた。

『綺麗...』

なんてうつくしい、綺麗なジャズなんだ。4人がゆっくりと横たわっていく中で、ひとり、踊り続ける。

...

織山くんのソロパートが終わって、それからもわたしは彼から目を離せなかった。

そして全員が集合して最後の曲を踊る。

その時になっても、他の人を見る余裕なんてなかった。

わたしには彼が、周りと違って見えた。

最初に出てきた子たちは、いい意味で差がなくて揃っていると思ったのに、彼が出てきただけで違った。

織山くんはひとりだけ、輝いて見えた。