Promised Days (N.Oriyama) (ページ3)

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『はい、？』

初対面でそんなこと言えるとは、なかなか思い切ってるな？誰だ君は？

などとちょっと失礼っぽいことを考えながら見つめた。

そう言うとその子は固まったように目を見開く。染めてるっぽい茶髪を揺らして頭をかいた。

え、あれ、初対面だよね？会ったことあったっけ？...いやいや、前の学校は県も違うし、会ってたとしてもこんな人が多い中で偶然会うとかないよね。

『....どうしましたか、？』

「へ、いや、何でも！」

あら、動いたと思ったら目があちらこちらに泳いでる。なんだなんだ、忙しい人だな。

「お、俺！深田竜生って言います！実はおんなじクラスなんですけど、」

『深田くん？坂口なあです。よろしくね』

で、なんだっけ。ダンス部、かあ。

『ダンス部は...今はあんまり考えてないかなあ』

「え、なんで」

さすが、初対面で部活勧誘できるレベルの陽キャなだけある(偏見)。とんでもなくレスポンスが早い。こっちが焦っちゃうぐらいだぞ。

『うーん、理由はないけど...』

これは大嘘。でもほぼ初対面の相手に伝える内容じゃない。

だけど、深田くんは何を勘違いしたのか、きらきらした笑顔になった。入らないってやわらかく言ったつもりだったんだけど。

「理由がないなら、いいじゃん！見にくるだけでもいいからさあ」

なにがいいんだ。

『え、うん、でも...』

「あ！今うんって言った」

『え？』

嘘でしょ、なんだこいつ。普通今日初めて会った異性こんなに誘う？

「よし、じゃあ今から一緒に行こう！ね？」

わたしより断然背が高いくせに、目線を合わせて聞いてくる。ここだけうるうるさせて、ずるくない？

リアルぴえんになった深田くんにわたしの警戒心が薄れる。

その瞬間、深田くんがわたしの腕をつかんだ。

『え、ちょ、深田くん？待って待って』

「まあまあ、見るだけ見るだけ！」

『み、見るだけ！？』

てなわけで、わたしは、わたしの中で完全に何だこいつ化した男の子によってもう絶対に入らないと決めた部活を見に行くことになりました。あーもう、わたしの中のジョイマンが叫んでるよ。

...けっこう最悪かも。