たとえ卑怯者だとしても【宮侑 白布賢二郎】

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白布side





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まあ、予想はしてたけど…




宮侑に、消灯時間が過ぎた頃向こうの一年を介して呼び出された。




休息所に行くと既に宮はベンチに座っていた。




宮侑「よ、軟弱くん。」




白布「……手短にどうぞ。」




宮侑「もう聞いとるか知らんけど、

俺、いわゆる‘‘リベンジ動画”持ってるんよね。
これネットに流したらAの人生も終わりやな。」




白布「ぶっ…」




宮侑「…あ？」




思わず吹き出した。




こいつ…馬鹿だわ。




白布「あー、悪い。あんたって意外と頭固いのな。
俺はそんなのバラされたってどうでもいい。」




俺が欲しいのは…




白布「Aが俺のもんにさえなればいい。」




宮侑は一瞬目を丸くさせたが、直ぐにいつもの気色悪い笑顔になった。




宮侑「…フッ、Aも大概クズ男に引っかかったもんやなあ。」




白布「…お前もクズだろ。」





この犯罪者。




死ねクソ野郎。




白布「女は力強くじゃ手に入んないよ…少なくともあんたのやり方じゃあね。

自分が一番分かってるんだろうけど。」




頭使えよばーか。




宮侑は何か言い返すわけでもなく、ただ俺を見つめていた。




俺は、その目の奥に微かな戸惑いがあったのを見逃さなかった。





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