花の令嬢は平穏に生きたいのです。＃４

episode５ ページ5

音side



その日の英徳は、今までにないくらい同様に満ちていた。


食堂に行く途中。


手には水筒とお弁当。

そして右手に花ことＣ５の真矢愛莉さん。


私はついこの前まで庶民狩りの標的だっただけあって、私と愛莉さんが一緒にいることに多くの生徒が疑問を持ち、同時に動揺した。


「ねぇ音？その筒みたいなのなぁに？」

「えっ、これは、水筒って言って…中に水を入れて…、」

「へぇー、聞いたことあるー！初めて見たー！」


珍しそうに、水筒を360度回して見ている。


まぁ、英徳の生徒は水筒なんて持たなくても、買えばいいだけだから、荷物をわざわざ持つ人はいない


「あ、ここ座ろ！」


椅子に座った時、また背後がざわついた。


「音〜、愛莉〜！」


後ろからAが走ってきて、女子の歓声が止まらない。

普段二人でいるときはあまり感じないけど、AはＣ５匹敵する人気の持ち主で、そのルックスと性格、学力などの能力からみてもトップレベルだ


英徳でも女子の中では神のように崇められているし、憧れの人の名前には本当に迷いもなくAの名前が上がる、


そんな有名人たちとお昼の席を挟むことに一体どれだけの嫉妬が飛んでくるか。

考えただけで恐ろしい。

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