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episode24 ページ24

天馬side


「風邪、引かないようにね」


「えぇ」


車から降りれば、もう辺りは真っ暗だった。


中から迎えの伊吹さんが出てくるのを待っていた、そんな時。



「…ごめんなさい」




「…え?」




少し下の方からそんなつぶやきが聞こえてきた。

目を向ければ、Aは顔を俯かせ、表情が見えなかった。

だけど、声音でわかる



すごく…落ち込んでる。



「…私、最悪な婚約者よね。ずっと、天馬に迷惑ばっかりかけて」

「正直に言っていい?」


「…ええ。もちろん」


Aが自分を責めすぎてしまいそうだったから、思わずAの言葉を遮った。


そうでもしないと、想いが溢れて、止まらなくなりそうで。


「Aに悲しい思いさせたやつらに、腹が立ってしょうがないのに、こうやっていまAと一緒にいられることが嬉しい」


「…私だって、親が決めた相手だからって、思ってないから」


…それって。


親が決めた婚約者。それが今の僕らの距離。


Aのニュアンスには、思ってない、と言うよりは、思わないっていう方が強いかもしれない。


それでも構わない。


すこしでも、前進した気がした


「………ずっと、1番近くにいてくれたのは、天馬だった。いつだって、私のピンチには、天馬が来てくれた。

今日だって、そうなんでしょ?愛莉に、言われたんじゃない?私が倒れた…とか」


「A…それは…」


昔から、その辺の勘がよかった。


人の隠したいこと、全部お見通しなんだ。


自分のことは、いっつも後回しなのに。


「天馬は、それを聞いて、駆けつけてくれたんでしょう?私のこれ、知ってるから」


「…っ」


Aが、そう言って指さしたのは、自分の胸。


「ごめんね、迷惑かけて、心配かけて…」



その指に、水滴が落ちた


涙だと分かるまで、時間はかからなかった。

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Yuria(プロフ) - Yuriさん» ありがとうございます!更新お楽しみに!! (2018年8月6日 20時) (レス) id: ef6245827b (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいています。更新、楽しみにしています! (2018年8月4日 9時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
Yuria(プロフ) - プリンプリン♪さん» ありがとうございます!頑張って更新続けます (2018年7月29日 20時) (レス) id: ef6245827b (このIDを非表示/違反報告)
プリンプリン♪(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます!これからも頑張ってください(^-^) (2018年7月20日 18時) (レス) id: 3399139195 (このIDを非表示/違反報告)
Yuria(プロフ) - 平野ゆづかさん» ご指摘ありがとうございます!!直してきました! (2018年7月7日 19時) (レス) id: ef6245827b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Yuria | 作成日時:2018年6月27日 22時

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