花の令嬢は平穏に生きたいのです。＃４

episode２１ ページ21

晴side


ジリリリリリリリリリリリッ！！！！



その警報音に、探し回っていたのとは反対側に急ぐ



冷凍倉庫らしき扉の前に、何人もの従業員が群がっていた。


「かせ！」



ドアを開ければ、中ではスプリンクラーの作動か、大雨が降っていた。



１番考えたくないのは、Aがこの中にいること。走っていったあとをおったけど、全然見つからなかった。


「A！江戸川！」



「…神楽木？」


…いた。


江戸川と馳と、それからAが。


ほんとに数分前とは違って、濡れながら、馳に抱き抱えられてて…見るからに、意識はない



「馳…、俺の仲間が…、」


「何度危険な目に合わせたら気が済む…、」



「Aと江戸川のこと、送ってやってくれ」



「言われなくても分かってる」



横を通っていく馳に、江戸川に、Aに。



申し訳なさや、色々な気持ちが積もるけど、





今は何も、考えられない。

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