episode３２ ページ32
音side
「だから、それで満足？」
底冷えした声で、Aさんは神楽木に向き合った。
「え、A？」
やっぱり神楽木も、Aさんが出てくるなんて思ってなかったみたいで目を丸くして驚いてる。
私も相当怒ってるけど…、見たこともないAさんの気迫にやられて声も出ない。
「そのお皿も、そのタキシードも、私が弁償するわ。全額、今すぐに、私のお金で払うから、もうやめて」
「いや、Aさん、そんなこと…っ」
紺野さんはそう言うけど…、
「ねぇ晴。弱い人いじめてそんなに楽しい？金持ちがそんなに偉い？自分で稼いだこともないような晴が、彼女たちにお金の問題で…、そうやって馬鹿にできるような立場なわけ?!」
「…A、さん……？」
「私は、頭が上がらない。十分すぎるお金を持て余して、ただひたすらに時間を浪費してる私たちに、自分のために、家族のためにって必死に働いている彼女たちの気持ちの何がわかるっていうの?!考えたことないでしょう?!」
そんなこと、考えたこともなかった。
家が没落するまえも、あとも。そんなこと、考えたことなかった。
前は、当たり前だと思ってた。
没落した今も、当たり前だとこそ思わないけど、彼女たちには当たり前に甘受する生活だって思ってた
そうだ。別に、当たり前じゃないんだ？
私にとっても、誰にとっても。
ちょっと恵まれてるか、恵まれてないか…生まれてきたところの差でしかないんだ。
「……」
「それでも、彼女たち切り捨てるっていうんだったら、あなたも所詮、その程度の器のちっさい人間よ！あなたが馬鹿にするどこぞの庶民より、よほど人間として、大事なもの欠落してるんじゃない?!」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2294人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Yuria(プロフ) - 美琴さん» わざわざありがとうございます！全然気づきませんでした…！直しておきます。これからもどうぞよろしくお願いします (2018年5月20日 3時) (
レス) id: ef6245827b (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - こんばんは(*^^*) 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2018年5月16日 19時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - 物語読んでいて気が付いたのですが...。 episode9のここの台詞 中でもでもダントツなのはリーダーの…」 これ正しくは中でもダントツではないんでしょうか？ (2018年5月16日 14時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - 何度も続けてのコメントですみません(･_･;) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 episode8のここの台詞 よって、私は愛莉にも晴にと逆らわず、逆らえずな関係が成り立ってしまっている。 これ正しくは私は愛莉にも晴にもではないんでしょうか？ (2018年5月16日 14時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
美琴 - またまた続けてのコメントですみません。 episode7のここの台詞 「…間違ってる、なんて気づかないんだろうな」 これ正しくはなんでではないんでしょうか？ (2018年5月16日 14時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Yuria | 作成日時：2018年4月22日 0時
