□ to be continued ページ49
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「いいか、まず聞け」
ローがコースターの上にカップを置く。
その動作にソファが軽く揺れた。
Aはついに始まるのだとスカートの裾をつかむ。
「おれとおまえは教師と生徒だ。真剣であろうと交際はしねェ。そこははっきりさせておく」
グサグサッ。と言葉一つ一つが心に刺さる。
全部がクリティカルに刺さり、私フラれたんだと実感が沸いてくる。
だが涙は出てこない。
辛い、苦しい、悲しい。そんな感情は確かにあるが、むしろすっきりしていた。
文化祭の時のモヤが晴れていく。みんな気分だった。
「覚悟してこいと言ったはずだ」
ローが立ち上がり書類だらけのダイニングテーブルへと向かいながら。
話を続けるための間を埋める会話のようなものだった。
『いや、してきましたけど…思ったより大ダメージというか』
「ぬるい」
『クリティカルですけど…!?てかせん…』
「話をそらすな、続けるぞ」
『続けるって…』
もう話すことなんてないだろうに。
何を言っているんだろうか。
ローの考えがまったく読めない。表情が一切変わらないからだ。
今何を考えてる?続きって?
頭には浮かぶが口にはできない。
やがて茶封筒を片手に戻ってくる。
ここまでの流れは数秒のはずなのにとてつもなく長く感じた。
ソファに座らず、テーブルを挟んでAの斜め前にしゃがむ。
そして、
バァンッ!!
茶封筒から取り出した紙をテーブルに叩きつける。
勢いが良すぎてカップが倒れそうになった。
「書け」
有無を言わせぬプレッシャー。
脅されている気分になった。
『え?』
叩きつけられた紙に視線を落とす。
それがなんなのか理解した途端、頭も中がしびれて目の前の現実に驚愕するだけの一連の動作を繰り返す。
『……え』
それは、Aが書くことで完成する婚姻届だった。
〜to be continued〜
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はるさめ(プロフ) - あの、最初の6~7ページかが名前になってて設定した名前に変換されてません。そしてこの作品凄く面白いですね!まだまだ最初部分しか見れてませんが…頑張ってください!応援してます! (2023年3月1日 15時) (レス) @page7 id: 299e20c6a9 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - あんちょろさん» コメントありがとうございます!遅いですが夜勤頑張ってください!夜更新が多いので気長に待っていただければ…送別会は割と力入れるので楽しみにしていてください! (2022年10月22日 9時) (レス) id: f1de8a3da7 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり(プロフ) - ききぽんぬさん» コメントありがとうございます!読んでいただいて光栄です!お気に入り登録もありがとうございます😭更新頑張ります! (2022年10月22日 9時) (レス) id: f1de8a3da7 (このIDを非表示/違反報告)
あんちょろ(プロフ) - 夜勤なうなのにもう送別会編が気になって眠れません(夜勤だから寝るな!) (2022年10月21日 23時) (レス) @page45 id: 67b3a9cf2e (このIDを非表示/違反報告)
ききぽんぬ(プロフ) - はじめまして、こんにちは!昨日、この作品と出会ってめちゃくちゃおもしろくてあっという間に全て読みました!続編が出来るということでとても嬉しく思います(*´﹀`*)嬉しいお知らせが届くのを楽しみにお気に入り登録させていただきました。これからも応援してます! (2022年10月21日 11時) (レス) @page43 id: 79ed02044f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おにぎり。 | 作成日時:2022年10月5日 21時