歌い手短編集を作ってみた

続き ページ44

志麻君の家に戻る途中、ずっと志麻君は私の手を掴んで離さないままだ。
志麻｢ばか、あほ｣

A｢ごめん｣

志麻｢ゆるさん｣

眉間にしわを寄せている志麻君、イケメンが台無しになっている。

A｢志麻く、…わあ！？｣

名前を呼ぼうとしたときに急に腕を引かれて抱き締められた。

志麻｢好き、ってなかなかいえんかった。泣かせてばっかりで、素直になれないし。キャラじゃないって誤魔化してた｣

A｢私こそ、面倒くさいし、志麻君の好みじゃないし、相応しくないのに｣

志麻｢好みとかじゃないんや、俺はAのことが、存在が好きや、愛しちゅう｣

A｢志麻君…｣

潤んだ目で見つめると、志麻君はぱっと顔を背けた。

志麻｢その顔、坂田には、…他の奴には絶対みせんなよ｣

抱き締められているから分かる少し高い志麻君の体温と共鳴し合う早い鼓動。

A｢へへへっ、ずっと志麻君だけだよ｣

しばらくくっついていたかったが、志麻君は急に離れた。

寂しさをすこしの彼の残り香に感じる。

刹那、抱き上げられる。

A｢えっ？！し、志麻君！？｣

志麻｢もう、我慢せんし、手加減もせんわ｣


覚悟は、いいか？と口角をつり上げた彼にそっと微笑む。

A｢上等｣


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読者さんの声をきくと、更新のやる気がめっちゃ上がります。

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