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156話 ページ8

「おい、有岡」

「大ちゃん。起きて」

あれ、俺寝ちゃってたんだっけ。
腕の重みから横を見ると、雄也が腕枕でぐっすりと寝ている。

……ん?

上を見ると、ちょい怒った顔のひかと
心配そうな顔の薮ちゃん。

「有岡お前、メールしてすぐ寝ただろ。
子どもかお前は」

はっとして時計を見ると
短い針が6を指している。

「やっば、ごめんひか」

「まあいいけど。台所借りるよ?
あと、高木は寝させといてやって?」

腕の中の雄也はさっきよりも温かかった。
息も少し荒い。

「辛そうだな…病院連れてけばよかった」

「とりあえず休ませといたら大丈夫じゃない?
大ちゃん、ちょっと料理手伝ってよ」

「薮ちゃん、隣にいてやって?」

「りょーかい」

ひかの料理を手伝いながら、他愛ない話をしていた。

「薮ちゃんと最近はどうなの?」

「ふつーだけど」

「普通ってなんだよ」

「あーもう!仲良くやってますよ!」

Jrのころはずっとお兄ちゃんみたいだったのに、恋をして、好きな人の話して
照れてるひかが可愛くて仕方なかった。

もうすぐ料理ができる、って時に寝室から雄也の泣き声。

「あー雄ちゃん泣かないよ?薮ちゃんいてくれたでしょ?」
毛布にくるまってぴーぴー泣く雄也。
俺が近寄ると両手を伸ばして抱っこをせがむ。
俺はベッドの縁に腰掛けて雄也を向かい合う形で抱っこした。

「なんかちやうのっ、だいきくんがいいっ」

「違うとかいったら薮ちゃん可哀想じゃん」

薮ちゃんの顔を見ると優しいお兄ちゃんの顔をしてたから一安心。

ぐずぐず言ってる雄也のふわふわの髪を梳いてたら、ひかが寝室にご飯を運んできてくれた。

「雄也、ほらご飯食べよっか。
来るの遅くなってごめんね」

「ひかるくん!!!!!」

泣いてた雄也はひまわりが咲いたように笑う。
ひかのこと大好きなんだなって。

美味しそうにもぐもぐと食べて
綺麗に完食した。
少し安心。

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Maori - 初コメ失礼します。このお話の続きはありますか?どうしても続きが見たいんです。よろしくお願いします。 (6月18日 10時) (レス) id: 5d5d467a0f (このIDを非表示/違反報告)
らずり(プロフ) - 初めてコメントします。こちらの作品がここ数年内に出会った中で1番大好きなお話で、今まで何度も読み返しました。久しぶりに更新されてとても嬉しいです。続きも楽しみにしております。 (2020年5月19日 18時) (レス) id: fdb0262007 (このIDを非表示/違反報告)
えはと(プロフ) - つなぐ。さん» 思い出してまで読んでくださったんですか!ありがとうございます!幸せな雄也さん見れるまで少々お待ちくださいね (2019年7月28日 14時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
えはと(プロフ) - 玉響さん» ありがとうございます!まだまだ続くとは思いますがありたかを応援してあげてください (2019年7月28日 14時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
えはと(プロフ) - A-yuy-Aさん» なかなか幸せにしてあげれてないですが、いつか必ずにこにこの雄也さんが見れるはずなのでそれまでよろしくお願いします!私も弱ってる雄也さん好き… (2019年7月28日 14時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えはと | 作成日時:2019年6月16日 15時

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