148話 ページ50
「よく頑張ったよ大ちゃん。
雄也の前では泣かなかったんだろ？」
薮ちゃんが隣に座って頭を撫でてくれた。
そうだよ、褒めて？という気持ちを込めて何度も頷いた。
でも雄也が俺と一緒になったこと、
後悔してないかなって思うことがある。
自分の子ども失うなんて正直言って早々ない話で。
絶対雄也は必要以上に自分を追い詰めてる。
「申し訳ない、雄也に…。守るからねって約束してたのに」
光くんの顔を見ながらいうと光くんも泣いていた。
「違うよ大ちゃん。
雄也ね、前に言ってたんだよ？
『付き合ったのが大貴くんでよかった』って」
「…どういうこと？」
「はぁ…馬鹿なんだから。
雄也は、優しい大ちゃんと出会えたことが、
結婚できたことが生まれてきた意味だって。
そう言ってたの」
俺と出会えたことが生まれてきた意味。
その言葉の重大さが分からないほどバカではない。
そんなこと言ってくれる人がお嫁さんで
俺はものすごく幸せだ。
「雄也に会いたいよ……」
あの時、『ひとりさせて』って言った雄也を
なんで手を引っ張って家に連れ戻さなかったのか。
「明日、会いに行きなよ。
俺達は……まだちょっと行けないけど」
「うんっ、行く」
その晩は、ひかの美味しいご飯を食べて
2人に挟まれて眠った。
JUMPのお父さんとお母さんみたいな2人。
その2人にも赤ちゃんがやってくる日が来るのかな。
そんな日は沢山お祝いしよう。
今日励まして貰った分も。
明け方、ふと目が覚めて体を起こした。
なんだか、体がそわそわした。
何かしなきゃ、という変な感覚。
とりあえず外の空気を吸いに行こうと
ジャージに着替えて
外へ出た。
「海が見たい」
勝手に口から出てたこの言葉。
海に行こう。
枕元に置き手紙をして、
車に飛び乗った。
財布と携帯、そしてエコー写真。
この子にママが大好きな海をまだ見せてなかったじゃないか。
朝日が昇る時間に湘南に着いた。
駐車場に車を停めて、堤防に腰掛けた。
「見て？綺麗でしょ。海っていうんだよ」
エコー写真を太陽に向ける。
君はもう、天国に旅立ったかな？
「空から見ててほしいんだ。
パパとママのこと」
俺は大きく息を吸って
水平線に向かって叫んだ。
「愛してるぞー！」
キラキラと赤く光る水面に
手を振る俺の影が映った。
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えはと(プロフ) - 侑葉さん» コメントありがとうございます！ぜひ採用させていただきます！少しずつですが更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年2月10日 9時) (
レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
侑葉(プロフ) - ずっと読ませてもらってます。最近、�睫擇気鵑留Δ砲疋魯泙蠅靴討い襪里任△蠅燭�、ほんとに嬉しいです。病弱で華奢な�睫擇気鷓嚢發任后�もし、良ければ貧血エピソードなども書いて頂けると嬉しいです。これからも作者様のペースで頑張って下さい。 (2019年2月3日 9時) (レス) id: e04bce508f (このIDを非表示/違反報告)
えはと(プロフ) - はちみつさん» ありがとうございます〜！ありたかお好きな方がなかなかいないので嬉しいです！これからもよろしくお願いしますね！ (2019年1月31日 21時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ - 更新頑張ってください。ありたか担なので、くっついてくれてすっごく嬉しいです！これからも頑張ってください！ (2019年1月29日 17時) (レス) id: aace91196a (このIDを非表示/違反報告)
えはと(プロフ) - ゆーやせーばぁさん» ありがとうございます！頑張って更新していきます！ (2018年12月3日 17時) (レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えはと | 作成日時：2018年12月2日 1時
