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グクの新人さん話から数日が経った。
「Aさん、この本の返却を頼んで良い?」
『分かりました。』
先輩から本を数冊受け取り、貼ってあるナンバーを見て元の所へ戻しに行く。
本棚に本を並べていると、突然肩を叩かれる。
そちらを向くと、かなりの美形な男性が立っていた。
思わず息を飲んでしまう程の綺麗な顔をした彼は、人形のようだった。
グクやジンさん、ユンギさんでイケメンへの耐性はかなりついていると思うのだけど、彼の綺麗さについ見入ってしまう。
「あの・・・ほん・・・。」
困ったように眉を下げながらポツポツと単語を並べている。
もしかして・・・
『한국사람 입니까?』
合ってるかな・・・?
自信はないんだけど、韓国語マスターに載っていた単語や文章を組み合わせて、ゆっくり話す。
聞いた途端、彼は子どものように無邪気な笑顔を見せる。
そして、首をぶんぶんと激しく縦に振る。
いや、まぁ韓国人だと分かったからと言って、生憎、私はそれ以上の韓国語は話せない。
「ほん。こーひー。」
ゆっくり、少しずつ単語を並べている。
『コーヒーの本を探しているんですか?』
彼はまた嬉しそうに首を縦に振る。
私は料理の本が置いてある棚に案内して、その中でもコーヒーについて書かれてある本を指さす。
そもそも、この人、日本語読めるのかな?
真剣に本を見つめている。
本を見つめているその横顔は、とても絵になる。
もっと、韓国語を全力で勉強していれば、こういう時にちゃんと話ができるのにな。
グクは日本語がとても上手で、会話に全く困らないから、韓国語の勉強にあまり力を入れていなかったからなぁ。
もっと勉強を頑張ろう。
「・・・これ!かりたい・・・です?」
1冊の本を手に取り見せてくれる。
それは、コーヒーの淹れ方についての本だった。
コーヒーが好きなのかな?
私はカードを作ったり本を借りる手続きをしたりする。
「あの、ありがとーごじゃいます、」
一生懸命伝えてくれる日本語に、心が温かくなる。
素敵な人だなぁ。
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ヤンコチペン - コメント失礼します! ここから、ぐく氏たちはどうなっていくのか、気になってきました!笑 素敵な作品をありがとうございます!!応援しています! (2023年4月6日 23時) (レス) @page49 id: 257e9ab930 (このIDを非表示/違反報告)
狐兄弟 凌 - 後々グクたちは離れてしまうのかとかめっちゃ気になります!!くっつきグクさん可愛い!面白かったです (2019年11月2日 9時) (レス) id: 7d3711d128 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめまして^^一気読みさせていただきました!凄く面白いです!一途に想い続けてくれるJKにキュンキュンさせられっぱなしでした(笑)続きも楽しみにお待ちしております!頑張ってください! (2019年10月21日 18時) (レス) id: 3fc92ffbb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆう | 作成日時:2019年10月21日 0時