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【YOU side】



JN「ここが、ジョングクの病室。」



ジンさんに連れられて来たところは、本当に地方で静かだけれど設備の整った病院。








そして、私はここを知っている。







JN「Aちゃん?」


『あ、いえ・・・すみません。』





しかも、この病室。





どこまで、偶然が重なるのだろうか。





あの人が息を引き取った病室。


今でも覚えている。





ここの病室のベッドの上で、綺麗な顔で眠りについた、あの人の顔。




もう、あれから7年以上経っている。





私は前に進めている。







深呼吸をする。





それを見て、ジンさんは軽く頷き、扉を開けた。




『っ・・・・ジョングク。』




ベッドの上には、とても綺麗な顔で眠っているジョングクがいた。




確かに、私の部屋にいるジョングクなのだけど、まるで別人のように見える。


傍に行き、そっと頬に触れてみる。





『あったかい・・・。』



いつも冷たいジョングク。


本当のジョングクはこんなにも温かいんだね。


涙が眠るジョングクの頬に落ちる。





やばい。


慌てて涙を拭う。





無意識のうちに泣いてしまっていた。




ジョングクはここにいる。



ジョングクは早く目覚めないといけないんだ。



私だけのジョングクではないから。





早く、ここに戻って来なければいけないんだ。




JN「泣かないで、Aちゃん。」




ジンさんが優しく微笑んでくれるから、余計に涙は溢れ出す。


胸が苦しい。





ジョングクとお別れする日が、必ずやって来る。


私は、その日までにちゃんと気持ちを整理できるのだろうか。


膨らみすぎてしまった、この気持ちを、無かったことにできるのだろうか。




JN「Aちゃん。
ジョングクは絶対、目を覚ます。
でも、それは終わりではないよ。
ジョングクが目覚めたからといって、Aちゃんとの関係が終わるわけではない。」



背中を摩ってくれるジンさんの手はとても大きくて、温かく感じた。






JN「ちょっと、飲み物買って来るね。」


ジンさんが病室を出て行って、ジョングクと2人きりになる。


目を覚まさないジョングク。


胸の高さが微かに上下していることが、ジョングクが生きていることを教えてくれ、安心する。





『ジョングク。好きだよ。』




そう呟いても、ジョングクが目を覚ますことはない。


一度口にすれば、溢れ出てくる気持ち。









どうか、ジョングクにはバレませんように。

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にこ - 伏線?っていう程でもないんやけど((失礼過ぎますごめんなさい)本屋さんとかのんが、『あ、そういうことか!!!』ってなって面白かったです!これからも頑張ってください!応援しています! (2020年8月13日 22時) (レス) id: ca2700ca3f (このIDを非表示/違反報告)
まゆう(プロフ) - 千晃さん» コメントありがとうございます!思い出しても、相手を思って我慢するジョングク・・・幸せになって欲しいですね。努力します! (2020年3月14日 21時) (レス) id: 77e5296d5f (このIDを非表示/違反報告)
まゆう(プロフ) - カナタさん» ありがとうございます!作者的にも2人ともに幸せになって欲しいのです。・・・うう。努力します。 (2020年3月14日 21時) (レス) id: 77e5296d5f (このIDを非表示/違反報告)
まゆう(プロフ) - ぽんぽんさん» 報告、ありがとうございます!!報告嬉しいです! (2020年3月14日 21時) (レス) id: 77e5296d5f (このIDを非表示/違反報告)
まゆう(プロフ) - パクちーさん» ありがとうございます!深夜にごめんなさい!!切なくしてしまいがちで・・・すみません。 (2020年3月14日 21時) (レス) id: 77e5296d5f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆう | 作成日時:2020年3月1日 22時

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