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JN「Aちゃん、ごめんね。怖い思いをさせて。」
ソクジンさんが申し訳なさそうな表情で私に手を伸ばす。
しかし、その手はすぐにパシッと音を立てて払いのけられる。
『ジョングク先生・・・?』
JK「・・・ヒョン、あの個室借ります。」
ジョングク先生はかなりの険しい表情で、私の手を引いていつもの小さめの個室へと連れていき、バンッと扉を閉める。
これは、説教タイムでしょうか。
JK「・・・。」
先生は私をじっと見つめてくる。
その瞳は怒っているようで、でも悲しそうで・・・小さく揺れていた。
『えっと・・・助けてくれて、ありが・・・・・え?』
全てを言い終える前に、ギュっと強く、きつく、けれど優しく抱きしめられる。
JK「こんなに体が震えているのに・・・何強がってるの?」
強がって・・・る?
先生のぬくもりで、少しずつ視界が歪んでいく。
あぁ、私、怖かったんだ。
『先生、離れてください。先生の服に、涙ついちゃいます。』
JK「はぁ、ほんと、どこまで馬鹿なの。
そんなこと気にしなくて良いから。」
『・・・っうぅっ・・・』
涙が次々と流れてくる。
体の震えは止まらない。
先生は泣きじゃくる私の背中を、優しく摩ってくれる。
JK「ごめん。もう少し早く来ればよかった。」
『いや、先生は悪くないです。
私の考えが甘かったです。
もう少し、警戒しておくべきでした。』
涙がようやく収まった頃。
先生は足を広げて座り、私はその間に正座をする形で、向き合って座っている。
恐怖心が薄れてくれば、今度は先生との距離の近さに心臓がバクバクしている。
JK「・・・何もされていない?」
『おかげさまで。ファーストキスは無事守られました。』
先生を安心させようと笑って見せるが、未だに悲しそうな顔をしている。
JK「・・・どこ触られた?」
『・・・はい?』
JK「・・・あいつらにどこ触られた?」
先生の声はいつもより低く、私の頭の中に響く。
『・・・・どこ・・・・?』
頬や顎を触られたことを思い出し、途端に触られたところが気持ち悪くなる。
私は無意識に、自分の頬をゴシゴシと袖で拭っていた。
JK「・・・手、邪魔。」
『え?・・・っ!!?』
先生の顔が近づいたと思えば、急に、頬にふにっと柔らかく温かい感触を感じる。
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タハ - 6周目突入!!いや〜なんでですかね?自然と何か「ジョングク先生」で検索してるんですよね... これほど惹かれた作品は初めてです!こんな素敵なお話に出会えて良かったです。出会わせてくれてありがとうございます (2021年4月18日 20時) (レス) id: ee578eb3c2 (このIDを非表示/違反報告)
タハ - 3周目来ちゃいましたw やっぱりまゆうさんの作品はどれだけ読んでも飽きませんね!!私文才がないので(どんな才能もありませんが)、尊敬です! (2020年11月8日 17時) (レス) id: ee578eb3c2 (このIDを非表示/違反報告)
にこ - どうしたの、オレンジ。は可愛い、笑 (2020年8月9日 11時) (レス) id: ca2700ca3f (このIDを非表示/違反報告)
タハ - 『ごめん、ありがとう、愛してる。』とつながっていてびっくりしました!!(*^^*) 読んだことないのに、なんか聞いたことがある気がして、繋がっていると知ったときとても驚きました(//ω//) これからも更新頑張ってください!!\(^∀^)/ (2020年5月21日 8時) (レス) id: ee578eb3c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ - すごいですね!一つずつにストーリーがあってリンクしてることは予想していましたがやっぱそうなんですか?!ヤァーーー!面白い!何かこう他の話とリンクしてる話好きなんですよ!ありがとうございます!これからも応援してます!頑張ってください! (2020年5月9日 11時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆう | 作成日時:2020年1月8日 22時