にゃん40 ページ17
「いや、僕もごめん」
思いのほか素直に言葉が出る
あれからずっと話したそうにしていたのに、無視してしまったこと
昨日、あれから部屋に謝りに来ようとしていたことも知っていた
それにもかかわらず「僕もう寝るんで」とふてくされた子供のように眠りについたのだ
言われたことが的を射ていたのは、僕自身が1番わかっていた
最近、周りとの温度の違いを感じる
みんなが進んでいるのに、僕だけが止まっている感覚
このままだと置いていかれるのかもしれない
でも、どうしても踏み切れないでいた
たかが部活に、どうしてそこまで熱意なんかかけるのか
そういうのが格好悪いと、勝手に心の中で決めつけていた
それをまっすぐに指摘されたから、こんなにも動揺したのだ
ほっとしたように、目の前の顔から緊張がなくなる
「これ、仲直りの印ね」
そう言って手渡された、ショートケーキ味の飴
山口君にツッキーの好きな味聞いといたの
そんなこと、わざわざしなくてもいいのに
カサリと包装を開けて口の中に入れる
よく食べ慣れているもののはずなのに、いつもより少し特別な味がする気がした
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作者名:まあ | 作成日時:2024年3月9日 13時