僕は君を選んだから

044：北山さんside ページ48

.



「ずっと言いたかった」





Aちゃんを抱きしめながら


そっとつぶやく。






.






「報道のこと気になってるよな？」





コクンって小さく頷いたAちゃん。






.






それから俺は初めて






.






あの報道を否定した。









上の指示で動いたことも話した。






.







今まで何もできなかった俺が


恥ずかしくて情けなかったけど







俺の好きな人はAちゃんなんだって。




ただただ本当の気持ちを伝えたくて。








そしたらAちゃんまた泣いたんだ。






「わ、わたし、、っ、北山さんのこと
信じて、、あげられなくて、、っ」






ごめんなさいってそんなこと言うなよ。






信じられないようにしてたのは


俺なんだから。







.








そっとAちゃんの体を離した。






「俺Aちゃんのことが好きだよ」







「わ、わたしも、、北山さんのこと、、っ」







そのあとの言葉を聞く前に








「俺ちゃんとけじめつけてくる」






「え、、？」







上の指示聞いてるままの俺じゃ



Aちゃんのこと守れない。









「ちゃんと否定するんだ、

俺はあんな子と熱愛なんかしてねーって。

俺の好きな人は別にいるんだって」






「北山さ、、」








だから









「それができてから

さっきの返事聞かせて、、？」





.






Aちゃんの頰の涙をそっと指で拭った。





「それまで待っててくれる、、？」





.







コクンって頷いたAちゃんを






.







もう一度優しく抱きしめた。

.

045：北山さんside→←043：北山さんside

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す