試合 ページ2
「桜ちゃーん」
聞き慣れた可愛い声に呼ばれて、私は目覚めた。
カーテンを開けると、あやちゃんが手を振っていた。
『ぬぇ?なんであやちゃんがいるの?』
寝起きでしっかり話せない。
「なんでって、今日はKZの試合なんでしょ?」
『あーうん。そうそ…って!そーだった!』
危ない。あやちゃんが着てくれなかったら、遅刻するところだった…
私はすぐに髪をまとめて、服を着替えて下に降りた。
『ありがとうあやちゃん!危なく遅刻するところだった…』
「いえいえ!私こそ無理言って1日だけのマネージャー手伝わせてもらってごめんね」
そう。今日は部活中の臣の姿を見るため←あやちゃんは言ってない。1日マネージャーをしてくれるらしい。
『いやいや、試合の日って普段より動くからちょうどよかった!ありがとう』
「そっか!今日は役に立てるよう頑張るね!」
あやちゃんはスキップと鼻歌を歌っている。可愛い
『ぬぁぁぁ、それにしても眠いね』
「眠いねぇ」
2人であくびをしながらグランドに向かった。
[ちょ、待ってなんか1人増えてる!]
[新マネ?!]
[結構可愛くね?]
あやちゃんを連れて行くと、部員どもはぎゃーぎゃー騒ぎ出した。
[ねぇねぇ、名前なに?]
[LINEやってる?]
[電話教えてよ]
『はいはい。そこナンパしない!』
私の声はまるで聞こえていないらしい。
[この後ちょっと遊ばない?]
[俺、君に応援されたら絶対勝てる]
『だから、ナンパすんな!早くアップしてこい!』
[[ひぇーーウチのマネ怖い…]]
ふん。女の子らしくしたら、お前ら調子にのるだろ。これくらいが丁度いい。
「桜ちゃんカッコいい!」
あやちゃんが目をキラキラささて話してくる。
『そんな事〔そーだそーだ!アーヤがこんなのなっちまったら…やめてくれよ〕』
急な話に乱入して着たのは臣たちだった。
臣はカッコつけて私の頭の上に肘を置いてくる。
『ちょ。じゃま!』
私が文句を言っても臣はニヤっと笑ってやめてくれない。
『じゃーまぁー…』
私が体の中にある力一杯の力で手を振り下ろそうとすると、軽く下ろせた。
『あれ?』
おかしく思って上を見ると、典がどけてくれたらしい。
〔俺の彼女に触んなばーか。〕
ぎょ、こんな事言うんだ…
〔これは思いもよらぬ所でのロケを見せられたな〕
貴がニヤリと笑う。
臣はなにも言い返せないらしい。
『あ、えと、さ、4人も早くアップいく!』
私はどうしていいかわからなくなり、こんな事しか言えなかった。
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マカロン(プロフ) - 面白いです。更新がんばってください! (2018年6月27日 8時) (レス) id: 1baa14e7c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きゃろっと | 作成日時:2018年6月17日 23時