第87夜 ページ48
「…で、話ってなんだ？A」
「……」
カシムはいつもと変わらない表情で聞いてくる。
そういうところは好きだな。
「あのね、カシム。お願いがあるの」
「なんだ？」
「───アリババくんを、待っててほしいの」
わたしが言うとカシムは表情を悪くする。
「…お前もアリババのまだわからねー方法を推すのか」
カシムは自分の拳を見つめる。
やっぱりアリババくんは来たんだ。
「だれも死なない方法ってなんなんだよ。あんなへっぴり腰なんかにこの国を任せれるわけがねーだろ！
だから俺は戦争を起こして王政を打破してみせる。そして一市民の俺でもこの国を背負ってみせる。…俺は運命に抗ってみせる!!」
カシムの言動にわたしは気圧される。
カシムはちゃんと考えている。
けどアリババくんは違う。
まだ方法も見出だせていない。
それにカシムはもうアリババくんに幻滅しているんだ。
でも、待っててほしい。
「行かないで…戦うなんてもう止めて！じゃないとカシムも…！」
「死ぬってのか」
「！！」
「死ぬのが嫌で戦争なんかできるか。俺にはもう覚悟は出来ている。あいつとは違うんだ」
アリババくんとは違う。
そう言ったカシムの顔は笑い合っていた頃なんて無かったような、運命を恨む顔をしている。
どうして二人はこんなにすれ違ったのだろう。
「それでも俺を止めたいってのなら……」
靴の音が近付いてくる。
気が付けばカシムは目の前に立っていた。
そしてわたしの肩を掴む。
「かし、む…？」
「お前がそこまで止めたいのなら、体で止めてみろよ」
「！？」
カシムの顔が近付いてくる。
カシムは止まらない。
そしてわたしは目を瞑った。
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舞 - とても面白いです。原作でもこのストーリーがあればいいのにと思うくらいです。続きが見たいので頑張って下さい(^O^) (2014年5月29日 12時) (
レス) id: c9be75eeff (このIDを非表示/違反報告)
遙コノハ(プロフ) - ゆづもさん» お疲れ様！！ (2013年3月2日 17時) (レス) id: 3bae9c9dcb (このIDを非表示/違反報告)
ゆづも(プロフ) - 遙コノハさん» おひさー！私もテストやらなんやらようやく終わったよー！ (2013年3月2日 16時) (携帯から) (レス) id: 3a6f61d3e7 (このIDを非表示/違反報告)
遙コノハ(プロフ) - お久しぶり・・・かな？テスト勉強やらで、なかなか来れなかったんだよ〜〜＞＜見ない間に話し進んでてビックリしたわ。 (2013年2月27日 14時) (レス) id: 3bae9c9dcb (このIDを非表示/違反報告)
ゆづも(プロフ) - ゆるさま。さん» ありがとうございます！これからもよかったら読んで下さい！ (2013年2月24日 18時) (携帯から) (レス) id: 3a6f61d3e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆづも | 作成日時：2013年1月17日 18時
