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「あ、これ無理なやつだ。」

私の右手と左手にはそれぞれ違う種類のマグカップ。
どっちも可愛い。どっちも欲しい。


「ねー!マコトさーん!」

「今忙しいー!」


こういう時はマコトさんに相談するのが1番なのに奥から聞こえた声にしゅんとなる。






「こっちの方がAさんに合ってる。」

ふいに後ろから聞こえた声に身体がビクッと反応した。

「これ可愛くない?Aさんのイメージにぴったり。」

振り返ると臣さんが1つのマグカップを持って立っていた。


「...可愛い。」


無意識にその言葉が出てしまうくらい素敵だった。
綺麗なライトブルーでゴールドのラインが控えめに入っている。
少し癖のある形もいい。


「でしょ?」


そう言って微笑むから胸が締め付けられた。


「これプレゼントしてもいいですか?」

「え、誰にでしょう?」

「Aさんに。」


真っ直ぐに私を見つめるその瞳に吸い込まれてしまいそう。
何も答えられなくなる。


「ちゃんと話がしたい。話じゃなくてもいい。前みたいに俺の独り言聞いて?」




「...ずるいです。」

「うん。ずるいよね。」

「でも私もずるいんです。」

「Aさんはずるくないよ?」



だって今すごく嬉しいから。
何もなかったかのように逃げようとしたのに。
臣さんが優しく笑ってくれるだけでこんなにも心が温かくなるなんて。





「Aちゃん、何だった?」

「...マコトさん、空気読んで。」

用事が終わって来てくれたマコトさんを臣さんが睨む。
いつものように眉間に皺を寄せて。

「なんだよ、臣君怖いよ!」


「「あははははっ!」」


困り眉になってるマコトさんが面白くて2人で笑った。



「なんやえらい盛り上がってるやん!」


私達の笑い声に誘われるように健二郎さん達がやってきた。
アサミは私と目が合うと「わかってる」という顔をして頷いた。





帰り際、耳元で「夜連絡する」って言うから耐性のない私はすぐに顔が熱くなって隆二さんに
突っ込まれた。
それを見て笑っているから完全に確信犯だ。





.





「なんかね、すごい好きみたい...。」

「だろうね。」


夕日に染まった街を歩きながら自分の気持ちを素直に言葉にする。

恥ずかしいけど、何とも言えない幸福感で包まれた。

人を好きになるってこんなにも幸せなことだったんだね。

頭の中にいる愛しい人に「ありがとう」と伝えた。





...

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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あお(プロフ) - shireyさん» コメントありがとうございます。満足していただけるように頑張ります。 (2019年12月18日 11時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - 話が面白くて続きが楽しみです((o(*゚▽゚*)o))) (2019年12月17日 23時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - みーやんさん» コメントありがとうございます。かなりゆっくりになると思いますが最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。 (2019年12月8日 0時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
みーやん(プロフ) - 初めまして!一気読みしてストーリーの純粋さが気に入って登録させて頂きました笑グイグイ行く岩田サンいいね〜私は臣くん推しだからこの先が楽しみです。焦らずゆっくりと素敵な作品作ってくださいね、更新お待ちしております (2019年12月7日 20時) (レス) id: fc5b4935bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あお | 作成日時:2019年11月26日 23時

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