No.8 ページ9
・
『……?』
聞こえてくる物音で目が覚めた。
欠伸をしながら伸びていると
__ガチャッ
脱衣所のドアが開いた。
そこから出てきたデイダラの姿に
思わず2度見し固まってしまう。
ってか、帰ってきてたんだ…。
『……え。な』
「…ん?起きたか、うん
どうだい寝心地は?」
髪をタオルでワシワシと拭きながら出てきた彼の姿は半裸状態。もちろん上半身の方が裸ね。()
着痩せタイプなのか…?
細身の体型ではあるけど筋肉はしっかり付いてて
まずい、私のツボである。
「……おい。なに深刻そうな顔してんだよ、うん?」
『な、なんでも…』
ふいっと顔を背けた時、
私の腕にガーゼが当てられているのが目に入った。
…え?ガーゼ?
体をよく見回すとそこら中に手当ての痕跡が。
「安心しろ
手当てはオイラがした」
『!?み、見た……?』
思わず腕を体に巻き付けて身を引く素振りを見せると
「見てねぇよ!!」
怒られちゃった。
すると髪を拭く手を止めて、
真剣な顔で近づいてきたデイダラ。
いや待って、それ以上近づかれたら鼻血が……
「なぁ、お前木の葉のAだろ?
魔鏡やら何やら異名を持つ、天才くノ一」
ってその話かい。
どこから持ち出した情報なのか、
デイダラはなぜか私の正体を知っているようで。
ってかそんな異名広まってんのか、恥ず。
「さっきの受付の女共が話しかけてきたんだよ、うん
お連れのAさんとはどんな関係ですかー?ってな」
『なるほど』
ちゃっかり声かけられてやんの。
まぁ私は何度も来てるしね、ここに。
『そういやどこ行ってたの?』
脱衣所に戻ろうとしたデイダラに尋ねる。
いい背筋してんな…()
「買い物」
ニッと笑って行ってしまった。
数秒後、髪を乾かす音が聞こえてきて、
デイダラの髪、長くて綺麗だったなー…と思い出す。
目が覚めた後でも体が重いので
もう一度ベッドに吸い込まれる私の体。ベッド最高。
「…また寝たのか?うん?」
それからしばらくして
髪を乾かし終わったのか、脱衣所から出てきたと思われるデイダラに声をかけられた。
目だけ向けると髪はまだ少し濡れてるデイダラくん。
『起きてます。
あるぇぇ?デイダラくん、髪まだ濡れてましゅよぉ?髪乾かちてあげまちょうか?』
「……」
このいじりは好奇心から来たものだ。
でもデイダラの目がやばいかもしれない。
・
70人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月10日 0時