No.31 ページ32
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アイツ……!!
最後の最後にやりやがった……!!
だからずっとニヤニヤしてたのか…っ
わなわなと震えていると、
顔を真っ赤にしたままのサクラが迫ってくる。
「あ、アイツって誰ですか!?」
『ちょ、サクラ落ち着いて…っ』
かくいう私も落ち着かなければ。
いつの間に“これ”を付けたんだろう。
寝る前はなかった……となると、寝ている間か。
強引に布団に引きずり込んだ報いとでも言いたいのだろうかアイツは。
「そ、その……彼氏さん、ですか?」
『エ”!?』
サクラがもじもじとしながら
とんでもない事を言ってきた、
いやいや、彼氏じゃない彼氏じゃない。
そう言って否定しても言葉とは反対に
頬がじわ……と熱くなっていく。
『ほんと、違うから……』
そんなやましい事してないし、そんな存在居ないし。
手で仰いで顔に上った熱を冷ましていると
サクラが突然顔を上げ、
「ってそれより…!
カカシ先生には会いましたか!?」
と、私の肩を掴んできた。
怪力も相まって地味に痛い。
『会ったよ…?ついさっき』
「……!」
そ、そんな……!とサクラが頭を抱えて蹲ってしまった。
一体、何ごと。
……あ。
よくよく考えてみれば。
カカシもこの首の跡絶対見た……!!
あの反応は絶対見てしまった反応だったに違いない…!
『やばいよサクラ…!見られてる!絶対見られてる!』
「先生の様子はどうでした!?人を今にでも殺してしまいそうな目つきしてましたか!?」
『してた……!』
2人して慌てていると、
「こら、お前ら……オレをなんだと思ってるの?」
と、音も立てず私たちの目の前に現れたカカシ。
「さて、A
任務の報告をしてもらおうか……
今、ここで」
『ヒッ』
「誰と、どんな任務をしてきた?」
ニコッ。と顔は笑っているが
目は笑っていないカカシが静かに近付いてくる。
「あ、あはは…それじゃAさん、私はこれで……」
あっ待ってサクラ、私を置いてかないで……
あ、ちょ、
『んぎゃあぁぁぁっっ!』
木の葉の里に私の盛大な悲鳴が鳴り響いた……。
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「お?この声……
どうやらAが任務から戻ってきたようだな」
「そうですね、綱手様…
相変わらず元気なご様子で。」
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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月10日 0時