No.26 ページ27
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デイダラのあの白い鳥に乗らせてもらい、
宿まで帰ってきた私たち。
今のこの一件で分かったのは
デイダラを怒らせてはいけないと言う事と
私とは反対の世界の住人であるということ。
彼は圧倒的に戦闘に慣れていて
何より人を殺すということにも慣れすぎている。
もはや殺しが生活の一部みたいなもんだ。
『…いたっ、ちょ、もういいよ手当てなんて…』
「我慢しろ!うん!」
お風呂上がり、手当てしてもらってはいるのだが
染みすぎて痛い。
私から手当てしてほしいとお願いしたんだけどね。
「そういうとこ無頓着になるのやめろ、…うん」
『無頓着じゃないと忍は務まらないぞ』
「そうだが…」
包帯を縛ると片付けを始めたデイダラ。
どうやら手当ては完了みたい。
『明日でお別れですね』
「あぁ…ってなんで敬語?うん?」
敵同士である為、今後会うことは無いだろう。
次に会うとしたら…次こそ、敵同士。
戦闘になるかもしれない。
『眠いね』
「寝ろよ、うん」
とか言って、デイダラもあくびしてる。
『今日も一緒に寝よう』
「へっ」
驚いたように振り返ったデイダラ。
目がまん丸で可愛い。
なんて言ったら怒るだろうけど……
「どうしたお前
さっきの怪我でついに頭もやられたか?うん?」
『煽ってんじゃねーぞ』
ガチで心配そうにこっち見るのやめて。
殴ってやろうかと一瞬思ったけど
喧嘩してもどうせ勝てないし
『寒くて』
「…、
襲うぞ」
『そんな事しないのは分かってる』
「ッチ!」
からの盛大に舌打ち。
……ふふん。
『おりゃっ』
「っ!?」
そんなデイダラの手を引っ張って布団の中へ突っ込んだ。
『あーー、やっぱり人間湯たんぽに限るわァ』
「ババァみてぇなこと言ってんじゃねぇよ!うん!」
『おやすみデイダラ』
「話聞け!!うん!!」
隣で騒がれてるけどうるさくなくて
逆にそれが安心できて、自然と瞼が落ちていく。
『……、ふふ』
明日にはお別れかあ
楽しかったな
「………なんでそんな顔すんだよ……」
記憶が無くなる寸前、
そんな声が聞こえた気がした___
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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月10日 0時