No.22 ページ23
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それから太陽も沈んでしまい、
そして現在。
『うぇっ……』
「だから言っただろーが!うん!」
よろよろっ…とだらしなくよろめきながら
屋台の並ぶ道の端っこを歩く。
うえ…食べすぎた……
「甘いモンとしょっぱいモン交互に…しかも大量に食べりゃそうなるに決まってんだろ、うん」
『うっぷ』
「げ!やめろよ!…うん!」
と言いつつも肩を貸してくれるデイダラ…神か…
傍から見れば今の私は酔っ払いのそれだ。
まだ未成年なんですけどネ。
そのままゆっくり歩いていると、
「………あ?……ッチ」
と、デイダラが何かに反応した。
『…どうしたの』
「悪ぃ。お呼びだ、うん」
『え?』
お呼び?
誰から?
デイダラは私を抱くと、屋台を飛び越えて人の目につかないような木の下まで移動した。
急にどうしたんだろう。
「…ちょっとここで待ってろ」
『どこ行くの?』
木に私を凭れ掛からせると、私に被らせていた傘を取りデイダラはそのままどこかに行こうとする。
なるほど、傘は持っていくんですね。
「組織からちょっとな…、うん。
すぐ戻るからここから絶対動くなよ
あと今だけ傘借りてくぜ…うん」
『…ん、分かったよ
ってか私だって上忍なんだし別に…』
「動くなよ?」
『……はい』
目力に負けた。
森の奥に颯爽と去っていくデイダラの背中を見届け、
ふぅ、とため息をつく。
忙しい身なのに私に付き合ってもらってる感がすごくて
なんだか申し訳なくなってきた。
祭りだって、彼のキャラじゃないだろうに…、
私が行きたそうにしてたから。
って、これ私の思い込みだったら恥ずかしいけど。
……よし。
『ここは私が何か奢ってあげよう』
付き合って貰ってるお礼に。
でも酔い、というか胃もたれというか…
気持ち悪いのは治ってなくて、まだ動けないし
何よりデイダラからここから動くなって言われてる。
だから大人しく待つことにした。
すぐ戻るって言ってたけど、いつになるかな
寝るのはさすがに不用心すぎるし…
ひまだなぁ
__「…よぉ、そこの暇そうにしてるお嬢さん」
『………、』
私の前に現れたのは、抜け忍の印の付いた
元 雨隠れの里の額当てをした男たち___。
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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月10日 0時