No.20 ページ21
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待ちに待った夜が来た。
と言ってもまだ夕暮れ時だけど。
『デイダラ!早く!』
「へーへー」
階段をダッシュで降りながら
気だるそうに降りてくるデイダラを急かす。
デイダラは深く傘を被っていてその表情は分かりにくい。
装束と傘は欠かせないのね。
抜け忍だしそれはしょうがないか。
受付前を通り過ぎる時、
“あの”女の人達をチラリと横目で見てみると
__バチッ。
目が合ってしまった。
…オマケに超睨まれてる気がするような。
『……???』
なんでそうなったのかは分からないが、
頭にアテナを浮かべていると不意に腕を引っ張られた。
「……」
デイダラだ。
クリクリなその綺麗な目にじっと見つめられる。
「オイラの芸術、見てみるか?」
『へ……芸術?』
手を引かれるがままに急ぎ足で外に出ると、何やら手に持っていたものをポイッと投げてみせたデイダラ。
そして印を結び……
__ボンッ。
『……!』
投げられた“何か”が人が乗れる位の大きさに巨大化した。
そしてこれは今日の昼時に
デイダラが乗ってた鳥と同じものだ。
「ほら」
それに乗ったデイダラが目の前に手を差し伸べてくる…が。
『…え?乗ってもいいの?重量オーバーとか無い??』
「ねーよ」
無いんですね分かりました。
差し出された手を取りながら私も鳥の上に飛び乗ってみる。
と同時に浮かび上がる鳥。
『……!便利……!』
「どうだい
オイラの芸術は?うん?」
『感動……!』
私の目はきっと輝いていることだろう。
その反応に満足したのか、「そうだろそうだろ」と言ってデイダラも何だか得意げ。
「んじゃ行くぞ!!うん」
『ゴーゴー!』
「うおっ…!ちょ、暴れんなよ…うん」
『誰が暴れん坊だ!!』
「言ってねぇ!!」
なんだ、こんな便利な移動手段があったのか。
昨日競走だとか言って走って帰ったのはなんだったんだ…
それより、祭りで私とデイダラの正体がバレないように
徹底しなきゃ。
待って。私被る傘ないんだけど???
私はナルトとは違うんだから
変化の術とか絶対解けるって。
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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月10日 0時