No.2 ページ3
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『イヤァァァァァ落ちる!!』
「もう落ちてるぞ、うん!」
何呑気に言ってんだァァ
こうなったらもう、どうなってもいい。もう知らん。
『1回だけ君の言うこと聞くから!!
お願いウワァァァァアァ』
なんて情けない上忍なんだ。
これでも上忍か??まじで情けねぇ。
どうせ断られるだろうな…と、半ば諦め状態で目を閉じる。
あーぁ、こうなるって分かってたら団子屋の団子沢山食べてくるんだったなあ……。ははっ。(遠い目)
加速するスピードに体を強ばらせていると
「……その言葉忘れんじゃねぇぞ!
安心して落ちてきな!…うん!!」
という声がさっきよりも近い位置で聞こえ、
目を開けると空がいっぱいに広がって__
___ボスッ!
『………ッ!!?』
衝撃で目を瞑ってしまったが、襲ってこない痛みや衝撃の代わりにいい香りが鼻を掠めた。
「…生きてるか、うん?」
『…………え』
聞こえてきた声にそっと目を開ける私だったが
思わず固まってしまった。
「…ん??」
至近距離で合わせられる目と目。
鼻がもう少しでぶつかりそうなこの距離。
なに、この綺麗な顔。
こんなイケメンだなんて聞いてない。
『な、な、』
「…あ?頭ぶっちまったか?コイツ、…うん」
言葉を発せないでいる私を他所に、
隣に目を向けたそのイケメン。
その視線につられて私も目を向けると
小さいおじさんがいた。
「知らねぇよ、んなもん捨てとけ……デイダラ」
『拾ったらちゃんとゴミ箱に捨てる事!!』
「じゃあ殺してやる、今ここで」
『ごめん嘘だから!!』
このおじさんは物騒だ。しかもこの受けとめてくれたイケメンに比べて冷徹である。
デイダラと呼ばれたこのイケメンはゆっくりと私をおろしてくれた。
ってか、直に受け止めたのに腕平気なの?
あの高さとスピードに体重と重力合わさってんだぞ?
まじまじと彼の腕を見つめていたからか、
彼が手を振ってみせた。
「あー腕折れちまったぜ、うん
何してもらおうかねェ、旦那?」
『どこのチンピラだよ』
確かにそんな感じの雰囲気は纏ってるけど。
『この度は助けて頂き誠にありがとうございました』
目の前の2人に手を差し出し90度に頭を下げる。
ってか、ほんとに命の恩人と言っても間違いでは無い。
それより、彼の腕が心配だ。
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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月10日 0時