No.16 ページ17
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「……起きてるかー?うん?」
『起きてるぞぉ』
また上半身半裸状態で出てきたデイダラ。
乾かしたんだろうけど、
やっぱり毛先の方がまだ少し濡れてるようだ。
…あれならすぐ乾くか。
『髪長いね』
「そうか?お前もだろ、うん」
そう言いながらデイダラはこちらに背を向けたまま、
半裸状態でベッドに座った。
……え?その格好で寝るの?てかベッドで??
『…いやいや、そこは女にベッド譲るべきでしょ』
「はぁ??お前今日2回も占領してたんだから別にいいだろ!!うん!!」
ここで始まったベッド取り合い。
「お前が何と言おうとオイラはベッドで寝るからな!!うん!!」
こうなったらアイツがベッドに入る前に私が先にベッドに入るしかない。
そうしたらあいつもいくらワルとは言えベッドに入っては来れないだろう!!ふはは!!
「オマエ、今すっげー悪い顔してんぞ…うん」
『抜け忍のワルに言われたくない!』
「うるせぇ!!」
デイダラが歯を磨きに行った隙に布団に潜り込み、
明かりを消した私。
私はさっき済ませておいたからな。
部屋に入ってきたデイダラの反応が楽しみだ。
ドキドキと待っていると、部屋のドアが開かれる。
「うわっ、暗っ…」
ちょっと面白いのと同時に、
彼には色々助けて貰ってきたから罪悪感が生まれる。
「んのやろ……」
ため息をつくデイダラ。
仕方ない、私が床で寝るか……と起きようとしたその時。
……ギシッ。
『……っ?』
そっと振り返ると、
デイダラが布団に入ってきているのが見えた。
へっ!?
『で、デイダラ…っ?』
「…あ?なんだ…起きてんのかよ、」
こちらに背を向けたままベッドに横になったデイダラ。
…と同時に、布団の中が暖かくなってきた。
さっき待ってた間に私の体が冷めきってたから。
足や手の指先が冷たいから、
なかなか体温も上がらないでいたんだけど……
まさか、わざと一緒の布団に入ってくれたのか?と心の中で勝手に調子に乗ってしまう。
『デイダラ、そのカッコで風邪引かないでね』
「お前もな…つかオイラは寝る時はずっとこうだ、うん」
ふんっ!と、デイダラがあっちを向いてしまった。
お互い背中合わせで寝る。
本当は敵同士になるんだろうけど…
『おやすみデイダラ』
「……ん」
戻りが遅くなった理由は追求しないでおいてあげよう
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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月10日 0時