No.15 ページ16
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……遅い。
服貰いにどんだけ時間かかってんだコノヤロウ。
『っくしょん…!』
さすがに、下着の上にロングコートって…寒いわ。
デイダラもここまで掛かるとは思わなかったんだろう
ロングコートを羽織りベッドの上で待つことにした私は、ふとあるものに気が付く。
……デイダラの着ていた、
黒地に赤の雲模様が描かれた装束だ。
『……』
一瞬だけ、いいよね?
好奇心に負けた私はささっと着替えて鏡の前に立つ。
『うおゎ……!』
自分で言うのもアレだけど、中々サマになってる…!
ぶっかぶかでウケる。
まぁ、デイダラ自身が着てても指先が隠れるくらいブカブカしてたけどね。
萌え袖かよ、可愛いな。
彼が帰ってくる前に脱がないと。
…服のボタンに手をかけようとした時。
__ガチャッ
「悪ぃ…!遅くなっちまっ………」
『…………』
『「…………」』
私は素早く私用のロングコートを手に取り、
脱衣所へ駆け込んだ。
急げ急げ……!!
デイダラのコートを脱ぎ、
自分のコートを着て再び部屋へ。
『…遅かったね。』
「え?…あ、あぁ。悪ぃ…うん
なんか変なやつに絡まれてた……うん」
よし、まだ遅くない。デイダラの気を紛らわそう。
私の命を守るんだ。
『どんな人に絡まれてたの?』
「…女で、」
『へ?女?』
「受付の、、」
あー…
って、さっきも絡まれてなかった?
なかなか積極的なんだな、あの受付の人…
『…ん?何コレ?』
デイダラの首元に赤い何かが付いてるのに気がついて
背伸びして確認しようとした時、
「あ、ちょっ…いいから!早く着ろよ、うん!!」
『うおっ』
背中を押され、浴衣を押し付けられたと思いきや半ば強引に脱衣所に押し込まれた。
な、なんだ…?あの慌てっぷりは。
デイダラから手渡された浴衣に袖を通し部屋に戻る。
『…お風呂、入る?』
「あぁ。」
すれ違うようにして脱衣所へと入って行ってしまった。
隠そうとしてた首のもの、怪我だったら…と少し心配になって覗きみようとしたけど……
少しも隙を見せない感じ、さすがである。
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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月10日 0時