No.12 ページ13
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「言ってなかったか?うん?」
『聞いてない』
同い年っぽいとは思ってたけど、実際何歳なんだろう?
「19」
『…へ』
まさかのピッタリ同い年だった。
『ふ、フーン?』
「なんだよ」
なんでもないけど。
あれ、なんか急に…またじわぁって頬に熱が上ってきた。
私の様子がおかしいからか、
残りのご飯を一気にかき込むデイダラ。
「ん、ごちそーさん。行くぞ、うん」
テーブルに代金を置いて立ち上がったデイダラはひとり店の外に出ていこうとする。
私もお金……あ、まずい。持ってきていない。
ハッとしてデイダラが置いた金に目を向けてみると。
……ん?あれ??
『…あれ!!』
「…なんだよ」
眉を寄せて振り返った彼とお金を交互に見遣る私。
『デイダラ…もしかして計算できない……?』
「…はぁ?」
『なんかお金倍置いてあるんだけど…』
「おめェも分も一緒に払ってんだよ!!うん!!」
『!?』
な、なに…!?
この服と、このご飯代まで…!?
めちゃくちゃ驚いていると
「夫婦って設定なのに割り勘だったらヘンだろ、…うん」
ふいっとあっちを向いてしまった。
『……!!あ、ありがとう…』
「早くしろ、うん」
急いで駆け寄り、デイダラの隣でオバチャンに貰ったチラシを眺めながら歩く。
「行きてぇのか?」
『…ちょっとね。開催は明日だけみたい』
「……ッチ。んじゃ、あの里の案内じゃなくてココの里の散策でもいいぜ。うん」
デイダラって重罪人だよね??
こんな優しくていいの?
明日が楽しみだからだろうか?
なぜかドキドキ高鳴る胸を抑えながら、
高テンションで宿へと戻った私であった。
そういや、里に任務成功の連絡はまだしてないけど…
ま、いっか。
抜け忍と居るってバレたら絶対捕らえろ、または殺せって命令が来るだろうし
私は自分の命も惜しいし、なんていうか…
デイダラには死んでほしくないっていうか、?
『こんなの忍者失格だな』
「……?」
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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月10日 0時