【マサイ】コーヒーの香りに包まれて2【Fischer's】

約束 ページ32

｢3月の頭らへん、絶対出かけよう｣

｢えっ｣

予想していない言葉をかけられて困惑してしまう。
忙しいからまた会えないとかそういうことかと勝手にネガティブになって想像していた。

｢どこがいい？遊園地とか水族館とかそういう所がいい？｣

ん？遊園地？？？水族館？？

｢ま、待って！マサイくんがそういう所行って大丈夫なの、、、？｣

今までずっと一人で悩んでたこと
マサイくんはYouTubeで有名な人で、ファンも沢山いる。そんな人が人の多い所に行って大丈夫なのか。行きたいけど、迷惑かけたらどうしようってずっと誘えてなかった。

｢マスクとかしちゃうけど、案外バレないよ｣

行けるなら、行きたい。
そう伝えるとじゃあまた連絡するねと言って扉に手をかけるマサイくん。

｢あっ、｣

だけどその手を離してまた私の前に来る。
どうしたんだろうと思って目を見つめる。

｢はいっ。｣

そう言いながら左手の小指を差し出してきた。

｢約束。指切りげんまん。｣

少し恥ずかしそうに言うマサイくんが可愛くて少し笑ってしまう。
私も左手の小指を差し出して絡める。


｢｢ゆーびきーりげーんまん嘘ついたらはりせんぼんのーますっゆびきったっ｣｣


2人で柄にもないことをやったので恥ずかしくて少し沈黙が訪れる。

｢じゃっ、また、連絡するっ｣

すごくぎこちなく扉を開けてまたねと言いながらマサイくんは帰っていった。

next…

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