戦闘開始 神樂 ページ48
「!?」
「うわっ」
くっだらない会話を繰り広げていた二人は、奥から聞こえる大きい声に反射的に反応する。
神樂が気配を消しつつ近づくと、そこでは今にも辺りが壊れそうな戦闘が始まろうとしていた。
「何だ!?…まぁいいや、行ってくる!」
「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿」
いつもの調子で戦場に突っ込んでいこうとする照輝の腕を、神樂が華奢な見た目に似合わない鍛えられた力で引っ張って止める。
「なんだよ、なんで止めるんだ?」
「むしろここまでして止める理由がわからないあんたが怖いわよ。まず空気…いや、そういうのを抜きにしたってさ、わかるでしょ?あの二人の相手をしてる女神みたいな奴。あのオーラ、並の強さじゃない…あんたみたいな外来人でもわかるレベルよ」
「そんなん関係ないぞ!それじゃ…」
「よしわかったあんたのその一直線の脳みそは一度叩き割らないと治らないみたいね」
照輝の腕を強く固定しつつ溜息を付く。だが、神樂は少しだけ考え込むようにして下を向いた。
「…いや、まぁでも…案外良いかもしれないわね。あの二人じゃどうなるかわかんないし…あんた、ヒーローなんでしょ?―ヒーローなら、黒幕退治、出来るわよね?」
吸い込まれそうな瞳で、神樂は照輝をじっと見つめる。照輝は決意するように息をのんだ後、いつもの表情に戻って自分の胸を叩いた。
「―ああ!勿論なんだぞ!俺はヒーローだからな!」
「―その意気や良し。そう簡単に死なないでよ、人間!」
木々の隙間から着弾すると煙を纏う御札―所謂煙幕を投げ、その隙に2人の気配を探って照輝の腕を引っ張りつつ味方陣営を同じ場所に揃える。並の人間には出来ない、的確で尚且つ合理的な動きである。
「ッ!?何だ…え、誰!?」
「一条神樂、んでこっちが幻想入りしたての日彩木照輝。あんたらは?」
「あ…お、俺は風原剣城!こっちが…」
「えと、白金ハル、です…?」
「ありがとう。―で、こんな事してんだからもうわかってると思うけど、私達も加勢する。こっちはともかく私は簡単には足引っ張らないから」
「えぇ!?酷くないか!?僕だって足引っ張らないんだぞ!ヒーローだからな!」
「え、お前もヒーローなのか!?奇遇だな、俺も…」
「はははははっ!」
同族を見つけて会話に華が開きそうになったその瞬間、 笑い声がその場に響く。―その声の主は、勿論全員判っている。
「少人数での戦闘も繊細で良いものだが、大人数対一人もスリリングで良いものだ!くくく、面白いねぇ!」
狂ったように笑って、黒幕―ノルンは宙に浮かび上がる。
「やってみ給え!可愛い可愛い異変解決者達よ!」
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雨咲(プロフ) - 修正終わりました! (5月25日 21時) (レス) @page48 id: f4c6e65f12 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲(プロフ) - 修正入れさせて頂きます! (5月25日 20時) (レス) id: f4c6e65f12 (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(プロフ) - 更新しました&続編作りました! (5月25日 17時) (レス) id: 135c03a3ed (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(プロフ) - 更新します! (5月25日 16時) (レス) id: 135c03a3ed (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (5月25日 16時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2023年5月20日 18時