「最悪」 ノルン ページ1
大決闘祭が終局した翌日の早朝、午前五時。
その日、幻想郷は有史以来稀に見る土砂降りの大雨に覆われていた。酒豪で名高い鬼達がやっと酔い潰れた深夜二時のあたりから降り出した冷たい雨は幻想郷人の外出欲を減衰させる。空を分厚く覆った雨雲は一向に動く気配がなく、向こう四日間は雨天であろう。
そんな中にあって、傘もささず防寒具のひとつも身につけずに宙を揺蕩う少女が居た。神秘的な雰囲気を纏う金髪碧眼の美少女―――ノルンは、白いスカートを薄暗い空に翻しながら、雨の中を舞い踊る。
「さあさあ来りし運命の日。降りしきる雨は幸か不幸か必然か。これより始まる此度の異変、ただの異変では御座いません。前代未聞の『幻想化幻想異変』―――とくとお楽しみ下さいませ」
『幻想化幻想異変』。
それは、幻想郷に蔓延る幻想―――即ち能力や魔法の類の全てを幻想つまり存在するか曖昧なものにし、幻想郷の根幹を為す実力主義を崩す異変。『幻想化』を受けた者達は、吸血鬼だろうと天狗だろうと魔法使いだろうと人間だろうと全てが平等なものとなり、強者と弱者の差異が無きものとなる。それは万人に対して不可避で、不可抗で、不条理に押し付けられた。
「―――っふ、くふふ、あははははは!!!」
ノルンは肩を揺らし、心底楽しそうに笑っていた。自身の能力の長所とも短所とも言える特性を巧みに使いこなし、幻想化から逃れていた彼女は空中に一人佇む。世界を引っ掻き回す愉悦と、自らを待ち受ける結末の快楽に溺れながら。
―――同時刻。
突如スキマから追い出され、幻想郷の片隅に降り立った八雲紫が。
世界を移動できなくなり、地球の地獄から動けないへカーティア・ラピスラズリが。
重力に捉えられ、地に足の着いた博麗霊夢が。
幻想郷の治安維持や管理に関わるありとあらゆる存在が、全く同時に呟いた。
心底不快だと、誰に伝えるともなく。
「「「「「―――最悪」」」」」
―――――――――
異変を起こしました。
幻想化から逃れられるのはノルンと他の異変の元凶の方々のみとさせて頂き、それ以外のキャラが幻想化から逃れるのはなるべくナシにして頂けると助かります(能力無効化系の能力者の方も幻想化の対象になってます。ただ、幻想化するか否かは作者様の判断に任せます)。
何卒よろしくお願い致します。
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雨咲(プロフ) - 修正終わりました! (5月25日 21時) (レス) @page48 id: f4c6e65f12 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲(プロフ) - 修正入れさせて頂きます! (5月25日 20時) (レス) id: f4c6e65f12 (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(プロフ) - 更新しました&続編作りました! (5月25日 17時) (レス) id: 135c03a3ed (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(プロフ) - 更新します! (5月25日 16時) (レス) id: 135c03a3ed (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (5月25日 16時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2023年5月20日 18時