猫 ページ37
新八君と神楽ちゃんが疲れて寝静まった後、先程小太郎さんが言っていたことが実現されることになった
小太郎さんが銀さんに「それで銀時、どんな女性なんだ」と執拗に絡み酒をして、銀さんはその質問に対して曖昧な回答しかしてないし、私も愛想笑いをする他ない
ちらりと銀さんと目を合わせて、何かを指し示すように2人して頷き、一緒になって小太郎さんにお酒を次々と進めていく
その甲斐あってか、ものの数十分で潰れていつものように "ぬーぬー" と寝息を立てて眠りに落ちた
ふぅっと同時にため息をした後、寝室へと小太郎さんを運んで今度は2人で縁側で飲みなおすことになった
銀「そんじゃお疲れさん」
「ふふ、お疲れ様です」
銀「お前の旦那の絡み酒しんどいわー」
「あそこまでしつこくなってたのは初めてです」
銀「な。本人目の前にいるっての」
「そ、ですね…」
言葉に詰まる私に反して銀さんはいつもと同じように見える
その後も銀さんと話をしたけど、なぜ私なのかという疑問でいっぱいで内容はよく覚えていない
そんな中でも「高杉」という言葉を一度耳にすれば強制的に現実に引き戻される
銀「そんで何で彼奴なわけ?」
「…さぁ、私にもわかりません」
銀「じゃあ何でそこまで…」
「私は何度生まれ変わっても彼を見つけて
彼に落ちますよ…どこまでも」
銀「そこまで愛されてっと嫉妬する隙間もねぇな」
満月をみればいつだってあなたを思い出してこの胸を焦がす
ひらひらと舞う蝶を見てはどこまでも果てしなく追いかける
じゃりっと塀の向こう側で地面を擦る音と共に「にゃあ」と猫の鳴き声が聞こえた気がした
——高杉さんに会いたい
まるで私の要求を代弁してくれたかのように
大きく膨らみすぎた貴方への想いとこの気持ちを守る為にもう貴方には会わない、そうこの満月に誓い、盃に残った酒を煽る
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作者名:るう | 作成日時:2022年9月20日 18時