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煙の香り ページ27

高杉さんと月に一度の逢瀬をするようになってから






桂「最近さらに綺麗になったな」





「嘘」





桂「Aに嘘を吐いたことはないだろう」





「ふふ、そうでしたね…ん」





桂「それじゃあ行ってくる

 
  今夜は銀時が夕飯を食べにくるからよろしく頼む」





「はい、わかりました


 いってらっしゃい」










家から小太郎さんが出て行った後、全身の力が抜けてその場にへたりと座り込み、自分の唇にそっと触れる






最近、小太郎さんに綺麗だと言われ、キスをされることが増えた気がする









…嬉しいけれど優しすぎて物足りない








大好きな小太郎さんとキスをした直後なのに、荒々しくて煙の香りのする欲に塗れたキスを欲しているくらい、紫色に綺麗に染まっている






高杉さんから出ているフェロモンに当てられた人はこの世にどのくらい存在するのだろうか





そして高杉さんとそういう関係になった人はどれくらいいるのだろうか





考えるまでもなく大勢いるに決まっていて、きっと高杉さんからしたら大勢の女の中の1人で、良い暇つぶしくらいにしか思ってないだろう





こんなに卑屈になってしまうのも高杉さんが欲しい、連れて行ってほしい、壊してほしい、と思うから









自分の強欲さに呆れながらも洗濯をするために立ち上がり、ポカポカと日の当たる縁側へ移動する






縁側は日当たりが良くて大好きな場所で、たまに本当にお昼寝をしてしまうくらいだ





社畜時代には考えられない程にのんびりとした生活をさせてもらって、異常から普通にしてくれた小太郎さんにはやっぱり感謝が絶えない






それなのに高杉さんに染まっていく自分に情けなさを感じて、先程感じていた高杉さんへのドロリとした想いは瞬時に罪悪感となってズキズキと心に棘となって突き刺さる







図々しく傷心しながらも縁側へ行けば、お天道様はあまり似合わない男が煙管を吹かし恋焦がれる煙がさも当然かのように座っている姿を見て焦心に駆られる













高「よぉ、じゃじゃ馬姫


  お姫さんらしく良いとこ住んでんじゃねぇか」






「高杉さんっ」












――ああ、やっぱり私は貴方に恋わされたい

簪→←無意識



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作者名:るう | 作成日時:2022年9月20日 18時

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