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それからのことは誰にでも想像に難くない





満月の晩には小太郎さんが寝静まった頃合を見計らって桜の木の下で煙管を吹かす愛しい彼に足早に会いに行く











「高杉さん…ッ…ぁ」






高「A…」






「は…ぁッ好きです」












お互いを貪るような荒々しいキスを何度も繰り返す中、時折私の名前を愛おしそうに呼ぶ高杉さんに私は整わない息をフーフーとしながら "好き" と伝えれば、また互いの顔は引き合いキスをする時間を堪能した










以前は小太郎さんへの罪悪感も持っていたが、人間は慣れというものを覚えると感覚が馬鹿になるようで









今となってはバレているかも、というスリルさえも快楽に感じている

















高「旦那にバレたら、さぞ面白れぇ事になるだろうなぁ」







「…私の人生終わりですね」







高「お前さんの絶望した顔拝んでみてぇもんだ」







「悪趣味ですね」







高「こういう性格なもんでな


  なんだ、嫌になったか」






「好きですよ、そういうところも」















満足そうな表情をその美しい顔に浮かべて "そうか" と呟けば、ふぅっと煙管の煙を煙を私に向けて吐きかけた
















高「俺のとこ、来るか?」













バクリと大きく心臓が鼓動する音が近くで聞こえた気がして、目の前は高杉さんでいっぱいなのに頭は真っ白になっていく






そんな中でも以前に小太郎さんからの言葉を思い出した












桂『Aに煙をかけるとは…なんと無礼な奴だ』






『そんなに怒らなくても


 ただ煙かけられただけです、いつものことです』






桂『意味を知らぬのか』






『意味なんてあったんですか?』






桂『…揶揄っている、そういう意味だ』






『桂さんは博学なんですね』













そんな他愛のない会話だった






そうだとしたら高杉さんのあの言葉は私を揶揄っているってこと?















高「お前は飽きねぇ面してるな」






「あ、昔の上司と小太郎さんのこと思い出して」






高「俺といんのに他の男の事で頭いっぱいにするたァいい度胸だなァ、A」





「ちょ…んッ」


















癪に触ったのかグッと私の頭を引き寄せれば先程よりも苦しくて荒くて、でも甘い口付けを互いに味わう











今夜も深く深く妖しい光に吸い寄せられる私はきっと夜のちっぽけな蟲

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作者名:るう | 作成日時:2022年9月20日 18時

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