検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:17,040 hit

忙殺 ページ18

- 数年前の春 -






私は江戸にそびえたつターミナルで朝から晩まで…いや、朝から翌朝まで働いていた







所謂、社畜である







街の同じ年頃の娘たちは華やかな着物に愛らしい簪をつけた髪形に、街を楽しそうに友人や恋人と歩いたり、茶屋でのんびり過ごしたりしている







そんな中を私はパキっとした黒いスーツに黒いパンプス、後ろの低い位置でお団子にまとめられた髪型と、年頃の女にしては見るも無残な格好をしていた








食事は食べられるときに食べるスタイルしか取れず、不摂生を極めた末に腹だけプニプニというなんとも悲しいものだ









周りの女の子たちのようにお洒落をしたりダイエットに精進したいところだが、そんなことをしている時間があったら1つでも仕事を片す方が優先










職場に行けば通常業務と並行して外回りや出張等の業務をこなす







その合間に上司からはもっと仕事を取ってくるように説教をくらい、企画を提案すれば詰めが甘いだのと大勢の前で怒鳴られるのが毎日の日課になっていた








流石に毎日の仕事量に忙殺されているとはいえ、毎日上司から「仕事辞めちまえ」「必要ない」「替えはいくらでもいる」と言われれば心は感情を失う









自分の存在価値を見失いながらもお金の為に2時間弱の睡眠時間で必死に食らいついてた















上司「おいA!こっちに来い!」








「…はい」








上司「この企画なに」








「利用客が増えるかと思いまして…」








上司「これ見て客がターミナル使いたいと思うわけないだろ


  お前の感性やっぱわかんねーわ」








「すみません…考え直します」









上司「それ今日の16時までな」








「はい」













周りの同僚たちの視線が痛いくらいに突き刺さる






再提出の時間まであと4時間しかないのに、通常業務は山の様にあり今日は1時間後には出張で江戸から出なくてはならない







つまり再提出まであと1時間しかない







今日も例の如くお昼ご飯は食べていないし睡眠不足で頭は回っていないフラフラな状態で企画を練り直す









この部署では上司の言葉が暗黙のルールで、できない人間は切り落とす、というか自然と消えていく



















――そんなあってないような毎日を壊したのが桂小太郎だった

第一歩→←鈍い人



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
41人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 桂小太郎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:るう | 作成日時:2022年9月20日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。