キラキラ ページ9
ついに花火大会当日
親父さんの気遣いにより早めに上がることができ貰った浴衣を着て帯を締める
必要最低限しか持っていない化粧道具で崩れた顔面を整える
いつも高い位置で1つに結わえている髪は髪飾りというには華やかさが足りない髪留めでお団子にしておいた
姿見で何度も自分を確認した後、店の外にでて髪留めの位置や着付けをちょこちょこと直しをいれる
お店にいるときみたいにきょろきょろと銀さんの姿を探してしまう
傍から見たらちゃんとした不審者だろうな
目の端にちらりと銀さんが映る
「銀さんっ今日は雰囲気違いますね」
今日の銀さんはいつもの召し物ではなく、涼し気で無防備な藍色の浴衣姿
服装が違うだけ格段にキラキラしてる、かっこいい…
浴衣に着られているみすぼらしい私が横に並んで良いのかと思うくらいで見惚れているのは言うまでもない
ほわほわと体温が上昇していき、少し涼しくなった夜風が心地良く感じる
銀「そんなに見られると穴開くわ
婆さんと神楽が煩くてよ
お前も随分と綺麗に…」
ずっと銀さんを見つめていた私の頭めがけたチョップと
銀さんの口からも私の体温を更に上昇させる言葉が落とされた
銀さんはまたしても、しまったという表情をしてチョップを下した手を
今度は、自分の口元を隠すために使ってた
そんな銀さんになんだかこっちまで照れてしまい、お互いそっぽを向いて
慣れ親しんだ団子屋の前で甘い空間を作りだす
あの飄々とした銀さんでもこんな甘い空気は慣れていない様子で
どぎまぎとしていて少し可愛く思えて、また胸がきゅっと鳴る
銀さんが迎えに来てくれてからまだ数分しか経ってないのに
随分と長い時間一緒にいる感覚にクラクラする
声を発するのにも呼吸を吸うのも緊張と言う言葉では事足りない程に体の奥底から震えてしまう
そんな中でもどうにかし絞り出した言葉は
「あの…銀さんもかっこいいです」
自分の本当の気持ち
「あっそ…あんがと」と言うとくるりと方向転換をして歩き出す銀さんの耳は赤くなっていた
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霊花 - ページ12 神楽と新八絶対様子見たじゃん (5月22日 0時) (レス) @page12 id: 8e6903f587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るう | 作成日時:2022年8月17日 16時