依頼 ページ22
今日は銀さんとお出かけの日
ではなく、今日は万事屋に依頼があって来た
「銀さーんいるのは分かってますよー開けてくださーい」
何度声をかけても銀さんというか万事屋からの返答はない
依頼があって来たのに、こんな事を言っているのは世界中どこ探しても私くらい
何でこんな場違いなことを何度も人の家の前で言ってるのはちゃんと理由がある
遡ること5分前
たった5分前まではしっかりと依頼人だった
万事屋への階段を上がろうとした時、お登勢さんに呼び止められた
登「ちょいとあんた、銀時に用事かい?」
「ええ、銀さんに依頼があって」
登「なら丁度良い、家賃の回収もついでに頼むよ」
殺気立った声と目線に逆らうことはできなくて、銀さんが居留守をしているのは一目瞭然
ただ依頼をしに来たのに、こんなことから始まるなんて…
何よりうちの付けだって払ってないのに家賃なんて払うわけがない
無茶苦茶すぎて溜め息が止まらない
銀「人ん家の前で溜め息ばっかつくのやめてくんない?」
「90%銀さんのせいです」
銀「じゃあ残りの10%で悪くない
また婆さんが来るかもしんねぇからとりあえず中入れ」
出てくるなり無茶苦茶な理屈を並べて悪くないことになったところで、私を中に入れてくれた
初めて万事屋に入ったけど、室内は意外と綺麗に掃除されてて、堂々とした "糖分" の文字
そして、どこかで嗅いだことがあって落ち着く匂い
おっさん臭と生活臭が入り混じる銀さんの家
だけど少し物足りなさを感じるのは何故だろう
立ったままの私を銀さんはソファに座るように促してくれた
素直に従いソファに座ると、銀さんは何故か私の隣に腰かけた
「なんか、いつもと逆ですね」
銀「たまには客になるのも良いモンだろ」
「銀さんが家賃払ってくれるなら喜んで」
銀「そんな金あるなら、お前んとこの団子食うわ」
「上手い事言ってますけど、1回も払ってないですよ」
銀「うるせぇな
で、何しに来た」
そう言われてここに来た目的を思い出した
家賃未回収でのこのこ帰るとこだった…
「頼みがあります」
銀「おお依頼か
ご注文は?」
「銀さん」
銀「はあ?」
57人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
霊花 - ページ12 神楽と新八絶対様子見たじゃん (5月22日 0時) (レス) @page12 id: 8e6903f587 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:るう | 作成日時:2022年8月17日 16時